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zoom RSS 経過情報(その1)

<<   作成日時 : 2005/09/10 11:11   >>

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 特許2628404号が出願されてからどのような経過を経て特許になったかを調べてみましょう。そんなことを調べてどんな意味があるかというと、つぎのようなことが言えます。前回も書きましたように特許の審査というのは、その特許が出願されるより前に同じような発明がすでになされていて世間に知れ渡っていたかを判定するのが主な目的になります(世間といってもその技術分野をある程度知っている人達の間でという意味ですが)。それを巡って特許庁と出願人がやりとりをするのが審査の経過ですから、それを調べると、その発明を取り巻く出願当時の技術の状況が見えてくるのです。

 さて審査の経過を調べるにはどうしたらよいでしょうか。これも「特許電子図書館」で簡単に調べることができます。トップページを開くとメニューの右側中程に「経過情報検索へ」という欄があります。今回は番号がわかっている特許を調べるので、一番上の「番号照会」を選びます。照会番号を入れる画面が開きます。「四法」の欄は特許になっていることを確認します。つぎの「番号種別」ですが右端の▼を押してプルダウンメニューを表示するといろいろな種類の番号を選べるのが分かります。今回はデフォルトの出願番号を入力してみましょう。出願番号は特許公報のフロントページに書いてあります。特願平2−288665号ですが、入力は最初にやった特許公報の検索と同じように半角で「H02-288665」というふうにしなければなりません。

 [検索実行]ボタンを押すと画面が変わって、「項番」「出願番号」が表示されるはずです。青字で表示されている出願番号をクリックすると、また画面が変わって一覧表のようなものが表示されます。表の下、欄外を見て下さい。左から[基本項目][出願情報][審判情報][登録情報]と書かれています。この特許の場合は4種類が表示されていますが、すべてが表示されるとは限りません。該当項目がない場合。例えばまだ登録になっていない特許の場合は、[登録情報]は表示されません。

 いま表示されているのは「基本項目」です。出願記事欄には出願番号と出願日が記載されています。以下基本的な項目が一目で分かります。[出願情報]をクリックしてみましょう。今度は画面をはみ出て多くの情報が表示されるはずです。上の方は基本項目と重複する内容も多いですが、技術分類のコードなどがかなり大量に載っています。前にも言いましたがこのコードについてはそのうちに触れる機会があると思います。ここで見たいのは下から2番目の審査記録の欄です。ここを見ると審査の経過が記録されています。

 太字で書かれているのは主として出願人と特許庁の間でやりとりされた手続き書類の名前です。最初に出願時に提出する「願書」が載っていて、それが出された日付が記録されています。特許公報と見比べると「差出日」の平成2年(1990年)10月25日が出願日と認められていることがわかります。つぎの「出願番号通知」ですが、現在は多くの出願がオンラインの電子出願になっていて、この場合は出願すると折り返し出願番号が即刻通知されるようになっています。平成2年当時はまだ紙の書類を特許庁に提出していましたので、1月ほどしてから出願番号が文書で通知されていたわけです。

 つぎの「手続補正書」ですが、出願から約1年後に提出されています。これは出願人が何か修正したいことに気づいてそれを申し出たものです。この時期に補正をすれば、出願から1年半後に出される公開公報には修正されたものを載せることができます。つぎは「出願審査請求書」です。特許はこの出願審査請求書を出さないと審査はしてもらえません。審査請求ができる期限があって、その期限内に審査請求をしないとその特許は取り下げられたものとみなされ、永久に権利にすることはできなくなります。平成2年当時は出願から7年間が期限でしたが、現在は3年と短くなっています。出願は早い者勝ちですから、出願するときはあまり慎重に考えずに取りあえず出しておくか、といった感じかも知れません。しかしいざ審査を受けて権利にするかどうかというときになって、先行する技術が見付かったり、将来その発明を使うことがないことがはっきりした場合には、審査請求はしても無駄だと判断する場合もあります。この特許の場合は期限の7年よりはだいぶ早く、出願から3年少しで審査請求がされていますので、権利にしたい大事な発明だと判断されたのでしょう。

 つぎの「刊行物等提出書」は出願人が出したものでも特許庁が発行したものでもありません。これは第三者が出したものです。この特許が公開され、審査請求がされたことがわかったとき、これが権利になっては困ると考える人がいるかも知れません。つまりこの特許の発明と同じことをやりたいのに、これが権利になるとできなくなるかも知れないからです。そのような場合に、この特許と同じことはこの特許が出願される前にとっくに知られていたよ、という情報を特許庁に提供し、特許庁が拒絶の判断を下すのを助けることができます。言葉は悪いですが、いわゆるたれ込みですね。しかもこれは匿名でもできます。そのような先行技術が載っている刊行物等を提出するのがこの刊行物等提出書です。ただ特許庁の審査官がこれをどう扱おうがそれはなにも規制されていません。提出したものが無視されても文句は言えません。とはいえ特許庁の先行技術調査にも限界があります。特許庁の調査の手が及ばないような範囲の情報を提供すれば、無視はされないはずです。いずれにしても刊行物が提出されるということは、その特許が重要な技術に関わっていて複数の人(会社)が競っていることを示すものです。

以下、次回に続きます。

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