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zoom RSS pn接合とは

<<   作成日時 : 2005/10/19 23:35   >>

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 前回、半導体のp型とn型の話をしました。半導体をデバイスとして利用するためにはこのp型とn型は極めて重要です。とくにこのp型とn型をくっつけるといろいろ特別なことができます。このp型とn型をくっつけたものをpn接合と言い、半導体デバイスでは極めて重要な役割をもっています。そもそもこのように半導体について基本的なことを説明し始めたのは、青色発光ダイオードを実現するための技術を理解するためでしたが、このダイオードとは正にpn接合でできているのです。

 まず前々回、真性半導体についてエネルギーバンド図なるものを示しました。n型とp型の半導体ではどうなるでしょうか。図Aはn型半導体のエネルギーバンド図です。エネルギーバンドギャップ(日本語では禁制帯)中の伝導帯に近いところにドナー準位というのがある点が真性半導体との違いです。例えば4価の原子でできた結晶中に5価のドナー原子を入れたとき、5価の原子の電子1個が余りますが、この電子のエネルギーがこのドナー準位に当たります。この電子はわずかなエネルギーでドナー原子を離れ、伝導電子となることをこの図は示しています。

 p型の場合は図Bのようになります。エネルギーバンドギャップ中の価電子帯に近いところにアクセプタ準位ができます。これは例えば4価の原子でできた結晶中に3価のアクセプタ原子を入れたとき、3価の原子の1個足りない電子のエネルギーに当たります。わずかなエネルギーで価電子帯から電子がアクセプタ原子に取り込まれます。このとき価電子帯には電子の抜け穴ができます。これが正孔となります。

 さてこのp型とn型の半導体をくっつけたときどうなるでしょうか。実際のくっつけ方はいろいろありますが、基板の上にp型半導体結晶膜を作り、その上に重ねてn型半導体結晶膜を作ることによって、p型とn型の半導体膜が密着してpn接合ができます。

 このときのエネルギーバンド図はどうなるでしょうか。n型とp型をくっつけることは図Aと図Bを横に並べてつなげることに当たりますが、境目がどうなるかが問題です。n型半導体中には自由に動ける伝導電子がたくさんいて、p型半導体中には正孔がたくさんいます。これをつなげると伝導電子はp型半導体側に、正孔はn型半導体中にどんどん流れ込むような気がします。ところが実際はそうなりません。

 話が少し戻りますが、4価の原子でできた結晶の中に5価のドナー原子を入れたとき、5価のドナー原子は簡単に1個の価電子を離してしまいます。しかしもともと5価の原子は5個の価電子をもった状態で電気的につりあいがとれて中性です。電子を1個離すとその分、正(プラス)の電気を帯びることになります。n型半導体は伝導電子をたくさんもっているからといって電気を帯びているわけではなく普通の石ころと同じように中性です。つまりたくさんの伝導電子がもっている負(マイナス)の電荷と電子を離したドナー原子のプラスの電荷とがほとんどつりあって打ち消しあっているのです。

 p型の場合のアクセプタ原子、例えば4価の原子でできた結晶中の3価の原子の場合、電子が1個足りない状態で中性ですから、1個電子を取り込むとマイナスの電荷をもちます。このとき、どこかの4価の原子の価電子が抜けますから、そこがプラスの電荷をもった正孔となります。電子を受け取ったアクセプタ原子のマイナスの電荷と正孔のプラスの電荷が打ち消しあって、p型半導体も全体としては中性になります。

 p型とn型の半導体をくっつけたとき、伝導電子や正孔が流れ出てしまわないのは、電荷をもったドナー原子やアクセプタ原子があるからです。伝導電子や正孔が流れ出るとn型半導体はプラスに、p型半導体はマイナスに帯電することになりますから、これによって伝導電子や正孔は引き戻され、流出は止められてしまいます。

 これをエネルギーバンド図で表すと図Cのようになります。電子がp型半導体の方に行こうとするとそこに壁(障壁、英語ではバリア)があって行く手を遮られます。エネルギーバンド図は電子のエネルギーについて描かれたもので、反対のプラスの電荷をもった正孔に対しては上下が逆になります。つまり正孔にとっては図の上に向かっては流れやすいですが、下に向かっては流れにくいことになります。ですから正孔にとってもn型半導体の方向に行くには壁があることになるのです。

 少しややこしい話になりましたが、次回はこのpn接合に電流を流すとどうなるかについて説明します。

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