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zoom RSS 混晶の役割

<<   作成日時 : 2005/11/19 11:39   >>

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 791特許の[従来の技術]のはじめの部分に窒化ガリウム系化合物半導体としてにGaxAl1-xN(ただし0≦x≦1)という材料がでてきます。このような材料にはいままで触れずにきましたが、これはGaNのGaの一部を同じV族元素のアルミニウム(Al)で置き換えたものを意味しています。xは組成比などと呼ばれる比率で、0.9ならば10%だけがAlで90%はGaということです。こういう結晶を混晶と言います。

 V−V族半導体のV族元素はAl、Ga、In(インジウム)の3種類が使われます。もっとも軽いV族元素はホウ素(B)ですが、これは実用的には使われていません。一方、V族の方は砒素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)、それに窒素(N)が使われています。つまり3×4種類のバリエーションがあります(すべての組み合わせが実用的な半導体になるわけではありませんが)。そして各元素の一部を置き換えた混晶を使えば材料の選択肢は非常に多くなります。

 混晶には、上記のAlGaN(組成比xは省略します)やAlGaAs、InGaAsなどV族元素2種類、V族元素1種類からなる3元化合物やGaAsPのようにV族を2種類にした3元化合物があります。さらにInGaAsPのように4元化合物もあります。この例のようにV族とV族が2種類ずつのものや、InGaAlPのようにV族が3種類のものなどがあります。ここにあげた例はいずれも実用的に使われている混晶です。

 このような複雑な化合物がなぜ使われるのでしょうか。それは例えばGaNとAlGaNでは性質が違うからです。とくにエネルギーバンドギャップが違います。GaNのGaを少しずつAlに置き換えていくとエネルギーバンドギャップは次第に大きくなっていきます。このエネルギーバンドギャップの大きさが発光する光のエネルギーですから、エネルギーバンドギャップのちがう半導体からはちがうエネルギーすなわち違う色の光が出てきます。つまり組成比xを調節することによって発光ダイオードの発光色を調節できることになります。

 ところがxを自由に変えられるかというとそういうわけではありません。まず前にも説明しましたが、半導体はすべてが発光してくれるわけではありません。とくに発光ダイオードとして実用になるほど強く発光してくれる材料はそう多くはありません。例えば赤色発光ダイオードはAlGaAsでできています。GaAsは発光しますが、それは赤外光で人間の眼には見えません。見えない光も使えないわけではありません。テレビに始まって今やエアコンなどいろいろな電気製品にリモコンが使われていますが、これには眼に見えない赤外線の光が使われています。

 話が逸れましたが、赤色を発光させるためにはGaAsにAlを少し入れます。Alの割合が増えるにつれて発光色の波長が短くなっていきます。すなわち橙色を帯びてきますが、Alが多くなってAlAsに近づくと発光が弱くなり、やがて発光しなくなってしまいます。AlAsは発光しないタイプの半導体です。このようにxは0から1の間をすべて使えるとは限りません。

 もう一つ別の問題があります。これも前に説明しましたが、基板の上にきちんと原子が並んだ結晶膜を作るためには、基板の半導体の原子の並びの間隔(格子定数と言います)と結晶膜の原子の並びの間隔が近いか、できれば一致している必要があります。ところが組成比xを変えると普通、格子定数も変わってしまうので、xを自由に変えられないのです。

 赤色発光ダイオードに使うAlGaAsはGaAs基板の上に作ります。この場合は都合の良いことにGaAsとAlAsの格子定数がほとんど等しいので、xをどう変えても格子定数はあまり変わりません。もっともGaNの場合はもともと格子定数の一致するよい基板がないのでサファイア基板を使っているため、話が少し違います。しかしこれから説明するように、発光ダイオードなど半導体デバイスをつくるときには、大体半導体結晶膜を多層に積み重ねます。この場合にはGaN系半導体でも格子定数の一致を考える必要が出てきます。

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