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zoom RSS ヘテロ接合

<<   作成日時 : 2005/11/23 12:54   >>

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 これまでpn接合の話をしてきましたが、同じ材料、例えばGaN同士とかGaAs同士とかで接合を作ることしか説明してきませんでした。このような同じ材料同士の接合をホモ接合と言います。これに対して異なる材料で作る接合をヘテロ接合と言います。

 同じ材料同士といってもp型とn型のちがいはあります。電流を運ぶキャリアが正孔か電子かで半導体の性質まったくちがいます。でも材料としては異なるドーパントがわずかppmのレベルで入っているだけの違いです。キャリアの種類以外の性質はほとんど変わりません。とくにエネルギバンドギャップの大きさや格子定数はまったく変わりません。

 これに対して前回説明した混晶では例えばGaの数%から数10%という割合でAlが入っています。このくらい多量に異なる原子が入ってくると、エネルギーバンドギャップや格子定数などが違ってきます。このような性質のちがう半導体を接合させたものがヘテロ接合です。

 もちろんGaAsとSiとか、GaAsとZnSeとかの組み合わせもヘテロ接合ですが、実際に実用的に使われているヘテロ接合のほとんどはV−V族化合物半導体の範囲内での混晶の組み合わせを使ったものです。791特許に出てくる例はGaNとGaAlNのヘテロ接合です。このほか発光ダイオードとしてはGaAsとAlGaAsの組み合わせが有名です。

 それではヘテロ接合を使うと何か良いことはあるのでしょうか。ヘテロ接合のエネルギーバンド図を描いてみます。図はかなり誇張してあります。図Aではエネルギーバンドギャップが倍もちがう材料の組み合わせを示しました。これは説明をわかりやすくするためで、Gaの10%をAlに置き換えたGaNとGaAlNのヘテロ接合ではこんなにはちがいません。

 図Aでは左側の半導体Nがn型で、右側の半導体Pはp型です。半導体Nの方が半導体Pに比べてエネルギーバンドギャップが大きくなっています。図Bは比較のためにホモ接合の場合を示しています。図は折れ線で描かれていますが、これは便宜的に簡略化したもので本当はなめらかな曲線です。ホモ接合との大きな違いはエネルギーバンドギャップが異なるために接合部分に尖った不連続な部分ができることです。この部分のことをスパイクなどと呼びます。

 さてこのヘテロ接合に電池をつないで電流を流してみます。半導体N側にマイナス極、半導体P側にプラス極をつなぎます。すると半導体N側にたくさんいる電子はスパイク部分を乗り越えやすくなり、半導体P側に流れ込みます。半導体P側の接合の境界に近いところには窪みのような部分があります。電子はこの部分に貯まりやすくなります。

 一方、半導体P側にたくさんいる正孔はどうなるかというと、半導体N側に流れ込もうとしますが、ホモ接合の場合に比べると接合部分の障壁(バリア)が高くてこれを乗り越えられずあまり半導体N側に流れ込めません。つまり正孔も接合の境界付近に貯まりやすくなります。

 電子と正孔が半導体P側の接合の境界に近い部分に貯まってくるので、この部分で電子と正孔が結びつきやすくなり、発光が起きます。ホモ接合では電子も正孔も接合の境界部分を通過していくだけですので、同じ電流を流す場合、ホモ接合よりもヘテロ接合の方が電子と正孔が結合する確率が高くなります。このため同じ電流を流して比べるとヘテロ接合の方が強い発光が起きるという良い点があるのです。発光は半導体P側で起きますから、出てくる光の波長は半導体Nではなく半導体Pのエネルギーバンドギャップに対応したものになります。

 発光ダイオードを作る場合に、いかに強い光を出せるかが重要な課題になります。薄暗いところでしか光っているのが分からないようでは使える場面があまりありません。太陽の光があたる明るいところでも光っているのがはっきりわかるくらい強く光れば、屋外の信号機やディスプレイにも使えます。ヘテロ接合は強い光を出す工夫の一つとして重要な技術です。

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