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<<   作成日時 : 2005/11/26 19:20   >>

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 前回、ヘテロ接合について説明しましたが、791特許のなかにシングルヘテロ構造、ダブルヘテロ構造という言葉が出てきています。そして実施例5はシングルヘテロ構造の素子の作製例であると書かれています。実施例5の構造はp型GaNとn型Ga0.9Al0.1Nを積層したもので、1つのヘテロ接合をもった発光ダイオードです。これをシングルヘテロ構造と呼んでいます。

 それではダブルヘテロ構造とは何かというと、名前から想像できるように2つのヘテロ接合をもった構造です。この実例は791特許には書かれていませんので、久しぶりに特許検索に戻ってダブルヘテロ構造の青色発光ダイオードについての特許を探してみることにしましょう。

 特許電子図書館を使った特許の検索方法についてはだいぶ以前にご紹介しました。ただこれまでやったのは特許の番号がわかっている場合についての調査でした。今回はそうではなくて、「ダブルヘテロ構造青色発光ダイオード」に関する特許を探すのが目的です。こういう場合どうするのかについて説明します。

 特許電子図書館にアクセスして下さい(http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl)。トップページのメニューの「特許・実用新案検索へ」の3番目にある「公報テキスト検索」を選んで下さい。画面に横長の記入欄が3行表示されるはずです。左側の「検索項目選択」の一番上の欄には「発明の名称」と入っているかと思いますが、それは気にせずその右側の▼をクリックしてみて下さい。どっとたくさんの項目が現れたと思います。このなかからどれか項目を選んでそれに該当する特許を検索できます。検索項目は3行分、3種類が選べます。各行の間にANDと書かれていますので、3つの項目を選ぶとそれらがすべて該当する特許が検索されることになります(項目は別に3つ選ばなくても2つでも1つだけでも大丈夫です)。

 まず手始めにこれまで見てきた中村修二氏の特許を検索してみましょう。1番目の検索項目に「発明者」を選びます。右側の検索キーワードに「中村修二」と入力します。検索キーワードの入れ方についてはヘルプ(画面上のピンク色のボタン)に詳しく説明されています。人名は姓と名の間にスペースなどを入れないようにします。中村氏の日亜化学時代の特許をみることにして、2番目の検索項目には「出願人/権利者」を選び、検索キーワードには「日亜化学」と入れます。正式な社名は日亜化学工業株式会社ですが、社名は前方一致(前の部分が一致すれば一致していると判断する)で検索してくれますので、日亜化学まで入れれば十分です。

 3番目の検索項目は空欄のままにして検索ボタンを押してみます。ヒット件数347件と表示されます。ずいぶん多いですね。ただこれは公開特許の数です。画面上の公報種別をみると「公開特許公報(公開、公表、再公表)」のところにチェックが入っていると思います。特許として登録された件を調べるのであれば、右側の「特許公報(公告、特許)」にチェックを入れます。これで検索し直すと205件とかなり少なくなります。

 すこし脇道にそれますが、特許公報で検索すると出願時期の早いものも検索できるというメリットがあります。通常、技術情報として特許の検索を行う場合は公開特許を検索します。特許にならなかった出願も含めて広く調査できるからです。ただ公報テキスト検索で検索できるのは公報の本文(テキスト部分)が電子ファイル化された以降のものに限られます。画面右下の方にある「検索可能範囲」のボタンを押すとそれがわかります。「特許公開」は平成5年からの収録で、それ以前のものは検索にかかってきません。

 ところが「特許公告」というのをみていただくと昭和61年からとなっています。ここでまた「公告」とはなにかを説明しなければなりません。先ほどの文献種別のところで「特許公報(公告、特許)」となっていたように公告というのは、公開とはちがって審査を受け特許庁が特許にしてもよいと認めたものです。ただし以前は、特許庁がよしとした段階で公告公報というのを発行して公衆が異議を申し立てられる期間を6ヶ月間設けていました。異議が出されれば、特許庁はそれを審理しなければなりませんでした。この制度は平成6年の特許法改正で廃止になっています。

 実際には異議が出ずそのまま特許になるものの方がずっと多かったからでしょうか、この時期の特許公報は特許電子図書館には収録されておらず、公告公報のみが収録されています。この公告公報が昭和61年発行のものから検索可能範囲に入っているわけです(実際にはあまり早い時期のものは検索にかからないようで、この昭和61年からという表示の意味はよくわかりません)。公告公報の発行日は出願日から数年から10数年後になるはずですから、かなり早い時期に出願されたものも検索範囲に入ることになります。平成4年頃より前に出願された特許も検索対象に入れたい場合は特許公報を検索するのがよいということになります。

 さて、もとに戻って出願人/権利者=日亜化学、発明者=中村修二で特許になっている件、205件の内容を見てみましょう。検索ボタンの隣の一覧表示ボタンを押して下さい。205件の特許番号と発明の名称の一覧が表示されます。はじめの2件が「特公平」となっていますが、これが公告公報です。公告番号は出願番号とも公開番号ともちがう番号です。特許番号も合わせるとこの時期には1件の特許に4種類もの番号が付いていたことになります。

 ずっと下の方を見ると、一番最後の205番目にこれまでみてきた791特許、199番目に404特許があるのがわかります。また発明の名称を眺めてみるとほとんどが窒化物半導体や窒化ガリウムに関するものであることがわかります。この場合はこのままでも検索の目的は達せられていると思いますが、一般的に言えば一人の発明者が同じテーマにずっと携わっているとは限りませんので、本来は技術内容で検索するのがよいはずです。これを次回にやってみることにしましょう。
 

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