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zoom RSS 特許の調べ方

<<   作成日時 : 2006/01/28 20:26   >>

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 青色発光ダイオードについてこれまで日本の特許について見てきましたが、青色発光ダイオードは外国でももちろん使われますし、外国の企業が開発、生産に名乗りを上げる場合も当然あるわけです。外国でも独占的に事業を展開したければ、外国でも特許を取得する必要があります。青色発光ダイオードに限らず、特許については国際的にどうなっているか調べなければならない場合がますます多くなっていくものと思われます。

 外国に特許を出す場合には、いろいろ制度的なことを知っておく必要がありますが、それはおいおい説明することにして、今回はまず調べ方について説明します。これからしばらくは特許について知識をお持ちの方には釈迦に説法になってしまいますので、悪しからず。

 まず日本の特許電子図書館に当たるデータベースが外国にあるかというと、これはむしろ特許電子図書館の先輩に当たるものがアメリカやヨーロッパにあります。なかでもヨーロッパ特許庁が運営するesp@ce-net(英語読みではイースペースネット、フランス語読みではエスパスネットと発音するようです)があります。ここにはヨーロッパだけでなく、アメリカや日本、その他多くの国の特許が収録されているので、とりあえずここの使い方を知っていれば無料で外国特許の調査をするには十分でしょう。

 早速アクセスして見ましょう。ヨーロッパ特許庁のホームページのURLは、
   http://www.european-patent-office.org/
です。ここにアクセスするとトップページの右下の方にesp@ce-netのロゴがありますので、その下の”search 50 million patent documents online”をクリックします。Esp@ce-netのトップページが開きますので、左の一番上の”access esp@ce-net”をクリックします。つぎのページが少し分かりにくいですが、中央上の青字”http://ep.espacenet.com/”をクリックします。ここで開くページをブックマークしておく(お気に入りに入れておく)のが便利だと思います。

 左側に出てくるメニューのうち、上から2番目のAdvanced Searchと3番目のNumber Searchを主としてよく使います。Number Searchは特許の番号が分かっているときに使います。なお、日本の特許電子図書館にも外国公報DBというのがあります。ここでも番号が分かっている特許なら内容をみることができます。アメリカ、カナダ、ヨーロッパ主要国の特許はかなり収録されています。ただし現状では番号での検索しかできません。esp@ce-netに戻りましてAdvanced Searchをクリックしてみます。これはちょうど特許電子図書館の公報テキスト検索に相当するような機能をもっています。

 発明の名称(title)や要約(abstract)に含まれるキーワードや、出願人(Applicant)や発明者(Inventor)、分類コードなどの書誌事項を使って検索ができます。早速、青色発光ダイオードを例に検索してみましょう。各記入欄の右側に記入例が載っていますので、これに従って入力します。さらに詳しくは左側にあるQuick Helpなどをみると記入の仕方が説明してあります。記入の仕方が悪くて何も見つからないのか本当に無いのかは区別がつきにくいので、注意する必要があります。

 日亜化学の中村氏の特許を検索するため、ApplicantにNichia、InventorにNakamuraと入力してSEARCHボタンを押します。RESULT LIST が表示されますが、460件以上もあってちょっと多すぎました。これには日本出願も含まれていますので、このような数になってしまいます。少し絞り込むために青色発光ダイオードの開発にあたって重要な技術であったp型GaNの作り方についての出願を調べてみましょう。リストの右上のRefine searchというボタンがありますので、これをクリックすると入力画面に戻れます。一番上のKeyword in titleにp typeと入れてみます。一気に減って13件になりました。

 リストは一番上に発明の名称、その下に発明者の氏名と出願人、その下に分類コード、一番下に特許の番号が載っています。13件を見ると2件を除いてJPすなわち日本の公開特許です。外国特許を見るのが目的ですから、10番目にある”Method of manufacturing p-type compound semiconductor.”というタイトルの欧州特許(EP0541373)をクリックしてみます。

 書誌事項の画面が表示されるはずです。画面上にタブがあり、現在はBibliographic dataになっています。この内容を見る前に各タブを見ておきます。隣のDescriptionをクリックすると英文の明細書の内容がベタ書きで表示されます。つぎはClaimsです。日本でいう請求項が表示されます。以上はテキスト形式です。その次のMosaicsというのは図面です。これはPDF形式です。つぎのOriginal documentは公報そのものがPDF形式で表示されます。次ページはクリックで簡単に開きますので、特許電子図書館よりも便利です。ダウンロードすればプロテクトを外すことはできますが。その隣、最後のINPADOC legal statusは特許電子図書館での経過情報に当たり、この案件の法的状況が示されます。

 以上のようになかなかいいのですが、PDFファイルを一括してダウンロードすることはできないようになっていて表示しているページ以外は白紙が入ってしまいます。また印刷ボタンが隠れていると思いますが、印刷にプロテクトがかけられています。この辺はちょっといじわるですね。著作権上の自衛策かと思いますが、個人ユーザにとっては残念です。

 いかがでしょうか。特許電子図書館とよく似た構成になっていますね。公報そのものの形式で見たければ画像形式(PDF)を、記述内容を電子ファイルで利用したければ、テキスト形式を、というふうに使い分けることができる点などは共通です。大体、他の国の特許データベースも似たような感じで扱えます。

 Bibliographic dataに戻りましょう。右の方にPDFファイルのアイコンが並んでいます。一番上はUS5306662(A1)となっています。これは米国(アメリカ合衆国)の特許です。その下のいくつかのEP・・・は欧州特許、下の方にあるDE・・・はドイツ特許を示しています。このように最初に2文字のアルファベットは国を表しています。JPは日本、USはアメリカ、DEはドイツ、FRはフランス、GBはイギリス、CNは中国といった具合です。EPというのは何かというと、ヨーロッパは欧州特許条約というのがあってこれに加盟している国は統一的に審査が行われているので、それを示しています。

 左側に戻って下のほうにPriority number(s)という項目があります。ここにJP19910357046という表示があります。日本特許の番号の外国での表示はいろいろあって統一されていませんからやっかいですが、この表示は1991年は平成3年ですから、特願平3−357046号を示しています。つまりここに載っている各国の特許はこの日本出願をベースにしているということが示されているのです。その他にも3つほど出願番号が載っていますが、その意味などは追って説明します。このように自国の特許をベースに必要な国に特許を出願し、権利を取得することが行われます。この同じ発明内容の一群の特許のことを特許ファミリーなどと呼びます。

 次回以降、国際的な特許の制度などを説明していくことにします。 

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