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zoom RSS 特許分類コードを使いこなす(つづき)

<<   作成日時 : 2006/03/21 10:58   >>

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 前回、国際特許分類(IPC)の話をしました。これはその名の通り、国際的に決められた分類方式ですが、日米欧など各国はそれぞれその国独自の分類コードを作って使っています。日本独自の分類コードはファイルインデックス(FI)記号とFタームの2種類があります。

 もう一度、前回例に使った特開平10−93146を見て下さい。フロントページのIPCの右側にFIと書かれているのがFI記号のコードです。IPCと同じH01L33/00と書かれています。FIは基本的にIPCと同じシステムで分類を行っていますが、必要に応じて細分記号が付いているところが違います。H01L33/00の右側に少し離れてNとCの文字がありますが、これが分冊識別番号と呼ばれる細分のための記号です。

 NとCが何を意味するか、これも特許電子図書館のパテントマップガイダンスで調べることができます。FI照会のところにH01L33/00を入力して照会すると、IPCと同じ説明の下にAからZまでの記号の説明がついています。CはGaN系を意味することがわかります、またNは「マウント,パッケージ,実装」です。この特許がGaN系発光ダイオードの実装などに関するものであることを示していますが、本当は樹脂モールド中に蛍光材料が入れて白色発光を得るところがポイントですので、そこまでは表しきれていないと言えます。IPCでは材料やプロセスの特徴は分類されていませんので、FIはそれに比べれば大分便利であるとは言えます。

 検索ページに戻ると、FI照会の欄の下に入力例が示されていますが、IPCの後に@を付けて、その次に上記のCやNを書くことになっています。ところがFIを公報テキスト検索で使う場合は入力の仕方が違うので注意が必要です。公報テキスト検索のヘルプでFIの入力方法をみると、H01L33/00Cと@を入れずに続けて書くことになっています。電子電子図書館のなかでは統一していただきたいものです。

 さてパテントマップガイダンスのFIのリストの右側に5F041という記号が見えていると思います。これがFタームのテーマコードです。クリックすると大きな表が表示されます。FタームはIPC、FIとはまったく違うシステムをとっています。発光ダイオード(LED)に5F041という記号を付け、このなかを細かく細分しています。表の左端の欄を縦にみて下さい。AAから始まってFFまであり、そのすぐ右の欄に目的、LED駆動回路、・・・とこの分類の意味が書かれています。そして表を右に辿ると、AA01、AA02、・・・と細かい分類が記されています。

 最近の公報にはこのFタームのテーマ記号も参考として載っていますが、上記の例の特開平10−93146にはまだ載っていないようです。しかしこの特許にもFタームは付けられています。特許電子図書館の経過情報を見て下さい。出願情報のなかのテーマコード記事には5F041が載っています。そしてFターム記事にはAA11、CA40、DA43、DA46が載っています。上記の一覧表でこれらが何を意味するのか調べてみましょう。

 AA11は「・・発光色、波長の改善*」、CA40は「・・・・GaN」、DA43は「・・・・樹脂」、DA46は「・・・・・その他*」であることがわかります。Fタームも階層構造になっていてIPCと同じように「・」の数がその階層をを示しています。例えばCA00は「LED形式(1)」でその下に「・」が1つのコードが6つあります。CA40はCA31「・LED材料」、CA32「・・母体材料」、CA34「・・・V−V族」の下に位置することが分かります。つまり5F041 CA40はこの特許がLEDの母体材料がV−V族のGaNであるものに関することを示しているわけです。

 上記の流れではFIからテーマコード5F041を見つけましたが、テーマコードがわかっている場合には、照会画面で「Fターム照会」に直接コードを入力して検索することができます。このとき、右側の「Fタームリスト」にチェクが入っていれば上でみた一覧表が表示されますが、「Fターム解説」を選べば、さらに詳しい解説が表示されます。5F041についての解説を見てみましょう。

 まずFIとの関係が詳しく説明されたあと、Fタームの解説が書かれています。「AA 目的」をクリックしてみると、下位のコードの説明が出てきます。ただしこの解説はFタームを付与する人に向けて書かれていますので、そう思って読む必要があります。AA11「・・発光色、波長の改善*」の「*」の意味は「色、及び波長の記載があればFターム付フリーワードで記入すること」と書かれているように「フリーワード」があることを示しています。

 ご面倒ですが、もう一度、経過情報の出願情報に戻って下さい。Fターム記事のすぐ下に審査官フリーワード記事というのがあって「5F041 CA34GaAlN」、
「5F041 CA46サフアイア」、「5F041 DA46蛍光染料、 蛍光顔料」という4つのキーワードが挙げられています。ここまでくるとかなりこの特許の発明の本質に近いところでの分類になっていると言えます。発光ダイオードと蛍光材料との組み合わせなどはコードとしては用意されていないので、言葉として付けておくということでしょう。今後、このキーワードが付く出願が多ければFタームの一つとして新しいコードが付けられるかも知れません。

 日本の特許を調べるにはFIとFタームを使い分けるのがいいと思います。ある技術分野の動向を大きく捉えるのが目的ならFIがいいですし、ある特定の技術に的を絞って調べたいならば、Fタームを使うのがいいと思います。

 以上で特許分類コードについては終わりです。また特許電子図書館についても今まで説明してきたことで、かなりの使いこなしができるはずです。青色発光ダイオードの特許の読みこなしを例にしたお話はこれで一段落とします。さてつぎはどんな話題に入っていくか、次回をお楽しみに。誰も楽しみにしていないか!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
物凄く勉強になりました!
何気なく知らんぷりしていた解析を見返してみて、
特許の面白さを改めて感じています!

ありがとうございます!
これからもどんどん更新楽しみにしています☆
CCCC
2010/03/26 16:34
お読みいただきありがとうございます。
特許電子図書館などのデータベースは頻繁に改変されています。この辺りの内容も古くなっているかもしれませんので、ご注意下さい。できるだけ改訂はするつもりですが、なかなかついていけていないところがあります。
砂粒
2010/03/26 21:11

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