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zoom RSS MOSFETの基本構造

<<   作成日時 : 2006/04/23 18:26   >>

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 MOS型電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor type Field Effect Transistor、MOSFET)の基本動作を考えてみます。前回特許図面を掲載しましたが、少しわかりにくいところもあるので、改めて断面図を描いてみました。画像

 3極の名前は現在ではソース、ドレイン、ゲートが定着しています。1960年出願のベル電話研究所の2件の特許には、この名前はなく、真空管と同じアノード、カソード、グリッドが使われています。ソース、ドレイン、ゲートの命名者は誰なのでしょうか。どうもShockleyのようです。1951年出願の米国特許2744970には電界効果トランジスタのアイデアが書かれています。ただしこれは接合型と呼ばれるpn接合を使ったタイプなのですが、このなかに3つの電極をソース、ドレイン、ゲート「と呼ぶものとする」(”shall be termed・・・”)と書かれているので間違いなさそうです(第3コラム、7行目、14行目参照)。

 ご存じのようにバイポーラトランジスタではエミッタ、コレクタ、ベースですから、これとも区別するための命名だと思います。さてこれらの意味ですが、ドレインは排水溝という意味ですね。ソースは源(みなもと)ですが、ドレインに対応するなら水源でしょうか。水源が大げさなら蛇口でもいいかも知れません。ゲートは言うまでもなく門ですが、水に関してなら水門ということになります。下手なマンガですが、水源から出た水が傾斜に沿って流れ排水溝に流れ込み、その間に水門があって流れの水量をコントロールするというイメージを描いてみました。画像

 この水の流れは電子(または正孔)の流れを例えたものです。ソース電極をマイナス、ドレイン電極をプラスにすると、電子はソースを出てドレインに向かって流れます。このとき言ってみればゲートのところで流路の幅を変えることができれば、通過する電子の量、すなわち流れる電流の量をコントロールできることになります。

 もう少し最初の図にしたがってMOSFETの構造を説明しましょう。この図では半導体はp型です。ソースとドレインの付近はn型になっています。発光ダイオードではpn接合は薄い層を重ねたものでしたが、このようにp型半導体の一部分だけをn型に変えることもできます。ソースとドレインは対称な構造ですから入れ替えても動作は同じです。

 ここで誤解してはいけないのは、ソース−ドレイン間を流れるのは電子です。p型半導体なのでたくさんある正孔が流れるように思いがちですが、チャンネルと呼ばれる流路を流れるのは電子です。このタイプのトランジスタはnチャンネルMOSFETと呼ばれます。逆にn型基板を使ったものはpチャンネルMOSFETとなります。なぜp型半導体中に電子が流れるのかは後で説明しますが、ソース領域のn型部分から電子が供給されてドレインへ向かって流れることになります。

 MOSFETの最大の特徴は半導体とゲート電極の間に絶縁膜があることです。このため、ゲート電極に電圧をかけても、ここから半導体に向かって電子や正孔が流れ込むことはありません。図のようにゲート電極とソース電極の間に電圧をかけると絶縁膜中に電界ができ、これが半導体側に影響を与えます。チャンネルは絶縁膜に沿ってありますから、ここを流れる電子はこの電界によってコントロールされることになります。このゲート電極による電界の効果によってコントロールされるトランジスタであることから、電界効果トランジスタ(FET)と呼ばれているのです。

 半導体としてシリコンを使う場合、絶縁膜としてはシリコンの酸化膜が使われます。これは酸素のなかでシリコンを加熱するだけで質のいい絶縁膜ができるからです。シリコンの表面が絶縁膜で覆われてしまってはソース、ドレインに線をつなげませんから、この部分だけ絶縁膜に穴をあけ、金属膜を半導体に直接接触させて電極にします。ゲート電極はこのソース、ドレイン電極に接触しないように絶縁膜の上に作ります。なお、半導体の裏側にバックゲート電極というのを付け、ゲート電極とこのバックゲート電極の間に電圧をかける場合もあります。

 このような構造のMOSFETのソース電極とドレイン電極の間に直流電源をつないで電圧をかけると電流が流れます。ゲート電極とソース電極(またはバックゲート電極)の間にも電圧をかけますが、このゲート電圧を変化させるとソース−デレイン間を流れる電流を変化させることができます。ゲート電極には電流は流れませんから、電力は消費されません。つまりソース−ドレイン間電流の制御をエネルギーをかけずに行えるという理想的なトランジスタなのです。

 次回はゲート電圧をかけるとどのようなことが起こるかについて説明しましょう。

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