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<<   作成日時 : 2006/06/25 18:30   >>

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 MOSFETは多数個を集積した集積回路として使われますが、それを説明するためにはもう少し回路の話をしなければなりません。デジタル回路について説明します。デジタルの世界は0と1の2値の世界です。別に2値でなければならないことはないのですが、電子回路で実現するには2値がもっとも簡単です。2種類の電圧を決め、高いときを1、低いときを0に対応させればよいわけです。

 われわれが普通に使っている数字は10進数ですが、これは0と1だけを使った2進数で表すことができます。4桁(4ビットと言います)の2進数なら
 0→0000、1→0001、2→0010、3→0011、4→0100、5→0101、6→0110、7→0111、8→1000、9→1001、10→1010、11→1011、12→1100、13→1101、14→1110、15→1111
といったように0〜15までの10進数を表現できます。

 4桁を費やして10進数の16個分しか表せないので、桁数ばかり多くなって扱いにくいように思われますが、これは人間の感覚で、電子回路にとっては桁数は多くなっても電圧を2種類だけにしてもらった方がはるかにありがたいのです。

 2進数の演算をする場合を考えてみます。足し算の2+3=5を2進数で表すと、0010+0011=0101となります。足す数と足される数の同じ桁を比べて0と0なら答は0、0と1なら答を1、1と1なら答を0にして上の桁を1に桁上げする、という規則で足し算ができることがわかります。このような規則が決まればそれを電子回路で実現することができます。このような規則を実現する回路を論理回路と言います。

 例えば2つの入力の両方が1のときだけは出力を1にする回路をAND回路と言います。2つの入力をAとB、出力をXとするとつぎの表のような関係になります。この表を真理値表と呼んでいます。
    A   B   X
    0   0   0
    1   0   0
    0   1   0
    1   1   1

 また、2つの入力の一方または両方が1のとき、出力を1にする回路をOR回路と言います。真理値表はつぎのようになります。
    A   B   X
    0   0   0
    1   0   1
    0   1   1
    1   1   1
 

 この2つと前回説明したインバータ(NOT回路とも言います)が論理回路の基本となります。これらを組み合わせて要求される論理を組み上げることができます。例えば、先程の例の加算をする回路も作ることができます。画像

 AND回路、OR回路もインバータの回路を応用すれば、MOSFETで実現できます。図Aのように2個のMOSFETのソース−ドレイン回路を縦続させるとAND回路になります。MOSFETは入力端子(ゲート電極)にプラスの電圧(例えばV=+5V)をかけるとソース−ドレイン回路に電流が流れますが(ONになると言います)、V=0Vにすると電流は流れなくなります(OFFになるといいます)。2つのMOSFETの入力端子A、Bの両方に+5Vをかけたときだけ負荷抵抗Rに電流が流れ、出力端子Xの電圧が下がります。両方またはどちらか一方の入力端子が0Vなら、そのMOSFETのソース−ドレイン間には電流が流れないので、負荷抵抗Rにも電流が流れず、出力端子の電圧は電源電圧Vにほぼ等しい高い状態になります。高い電圧のときを1、低い電圧のときを0とすると真理値表はつぎのようになります。
    A   B   X
    0   0   1
    1   0   1
    0   1   1
    1   1   0

 このA、BとXの関係は上のAND回路の場合のちょうど逆になっていますので、正確に言うとこれはAND回路ではありません。これをNAND回路と呼びます。NANDはANDの出力にNOT回路(インバータ)を入れたときに相当します。MOSFETを普通に使うとインバータになってしまうのでこのようなことになります。AND回路が必要ならNAND回路の出力にインバータを入れればよいことになります。

 図bのようにMOSFETを並列に接続するとOR(この場合も正しくはNOR)回路ができます。両方またはどちらか一方のMOSFETがONになり、負荷抵抗Rに電流が流れれば、出力端子Xの電圧が低下します。両方のMOSFETともOFFであれば出力端子Xの電圧は高くなります。真理値表はつぎのようになります。
    A   B   X
    0   0   1
    1   0   0
    0   1   0
    1   1   0

 このようなMOSFETを複数含む回路を1つの基板上に作り込んだものが、集積回路(IC)です。

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