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zoom RSS 不揮発性半導体メモリー

<<   作成日時 : 2006/10/01 20:04   >>

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 DRAMやSRAMは電源をオフにすると記憶が消えてしまう揮発性のメモリーでした。記憶を保つためには電源を常時オンにしておく必要があります。バックアップ用の電池を使うなどの手段をとればよいのですが、これでは消えたら取り返しのつかない重要な情報の保存にはあまりに不安です。もちろんハードディスクなどの磁気メモリーを使えばよいのですが、ディスクを回転させヘッドが指定された場所へ移動して情報を読み出したり書き込んだりする原理なので、常時情報を出し入れする目的には動作が遅すぎます。

 不揮発性の半導体メモリーで古くから使われていたものにROM(Read Only Memory)があります。これは使用者が書き換えることができないタイプのメモリーで、いつも同じ情報を読み出せればよい目的に使われます。これに対して最近、急激に普及したフラッシュメモリーは、記憶情報を書き換えることができる不揮発性半導体メモリーです。磁気メモリーと同じように自由に書き換えができ、かつ電源を切っても記憶が保持されるというものです。DRAMやSRAMに比べると動作速度は遅いですが、ハードディスクに比べて機械的に動く部分がないのは大きな利点です。

 半導体メモリーで不揮発性を実現するにはどうしたらよいでしょうか。DRAMやSRAMのように普通のコンデンサやトタンジスタのスイッチを使う限り、どうがんばっても電源を切ってしまえば、それまでの状態を保つことはできません。MOSFETの開発過程で、絶縁膜中にイオンが混入するとこれがMOSFETの特性を狂わしてしまい問題になったという話を思い出して下さい。つまり絶縁膜中に電荷があると、ゲート電極に電圧をかけたのと同じ状態になり、トランジスタがオンオフする電圧が、電荷がない状態とは変わってしまうのです。

 半導体不揮発メモリーはこのことを利用しています。絶縁膜中に何らかの電荷があるとこれは電源を切っても逃げないので、「記憶」の手段として使えるのです。ただ記憶の書き換えができるようにするためには、絶縁膜中の電荷を入れ込んだり、抜き取ったりが自由に確実にできなければいけません。上に書いたイオンは混入すると抜き取ることはまず無理なので使えません。

 最初に考えられたのは窒化シリコン膜中の電子準位を使う方法でした。これは偶然見つかった方法のようです。MOSFETのゲート絶縁膜は通常、熱酸化SiO膜ですが、これは非常に良質で理想に近い絶縁膜になります。ただアルカリイオンと親和性が高く、これが混入しやすいという欠点がありました。そこで開発当初はアルカリイオンを通しにくい窒化シリコン膜を上に重ねてみようという試みがありました。ところが窒化シリコン膜中には電子を捕らえる準位ができやすいことがわかりました。SiO膜を非常に薄くすると窒化シリコン膜中の電子をうまく出し入れできることがわかったため、米国でこれを使った不揮発性メモリーが実現しました。

 ただ窒化シリコン膜中の電子準位は何かをドープしたりして作るものではなく、自然にできるものでしたので、製法としては不安定でした。また電子を何度も出し入れしているうちに特性が変わってしまうなどの問題があったようです。現在では製品はありません。画像

 もっと人為的に絶縁膜中に電子を保持しようとする試みがなされました。これを最初に考えたのはMOSFETの発案者の一人であるベル研究所のKahng氏と言われています。特許を探してみました。日本出願はありませんが、アメリカ特許3500142号というのが見つかりました。1967年の出願ですから、MOSFETの提案から7年後ということになります。

 どんな原理かを特許図面で見てみましょう。一見、普通のMOSFETです。よく見るとゲート絶縁膜に導電性の膜が挟まれています。比較的薄い絶縁層16と比較的厚い絶縁層18の間に金属層17をサンドイッチすると説明されています。絶縁層16は熱酸化SiO膜で膜厚は50オングストローム(現在では5nm)、金属層17はジルコニウム(Zr)膜で膜厚は100nm、絶縁層18は酸化ジルコニウム膜で膜厚は100nmと説明されています。使われている材料は現在のものとは違いますが、それは追って説明することにします。

 この構造で電子を金属層に保持することによって不揮発性を実現するわけです。この電子の出し入れはゲート電極19に電圧をかけるだけで行えます。半導体側から薄い絶縁膜16を通して電子を金属層17に引き込みます。金属層17は絶縁膜に挟まれていますので、電圧がかからない状態では金属層に貯まった電子は逃げるところがなく、そのまま保持されます。ゲート電極に逆の電圧をかければ、金属層に貯まっていた電子を半導体側に吸い出すことができるので、情報の書き込み、消去ができます。情報の読み出しはソース−ドレイン間がオン状態かオフ状態かを見ることで行えます。

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