石くれと砂粒の世界

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<<   作成日時 : 2007/01/13 19:58   >>

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 今回はCCDです。前回も触れたようにCCDはCharge Coupled Device (電荷結合素子)の略で、代表的な電荷転送素子です。前回説明したBBDより1年遅れてベル研究所から提案されました。ですからBBDと独立というより、BBDを改良する発明と言った方がよいかと思います。それにしてもベル研究所がトランジスタの発明に始まり、MOSFET、浮遊ゲート、CCDと現在もっとも多く使われているデバイス群を次々と生み出しているのは驚きです。

 ベル研究所が出願したCCDの特許を早速見てみることにします。CCDの基本特許に当たるものは、米国特許3858232号であると思われます。発明者はBoyle氏とSmith氏の2人です。1971年の出願となっていますが、1970に出願されたものの継続出願です。これに対応する日本への出願はされていないようです。画像

 まず特許の図面を見ながらCCDの構造を説明します。CCDは図1に示すようにMOS構造で、酸化膜11上に多数の電極12、13・・・を並べただけの単純な構造をしています。BBDはMOSFETを並べるという考え方ですから、ソースとドレインに当たる拡散領域を設けていました。しかしCCDは単純なMOS構造で、ソース、ドレイン領域はありません。その分、BBDより簡単で、つくるのも楽です。これが後にBBDより普及した大きな原因です。

 つぎにどのように電荷を転送するか動作原理を説明します。図A〜Dがこれをわかりやすく示しています。
(A)まず電極12にマイナス電圧をかけます。この例では半導体基板10はn型ですから、電極12の直下の半導体基板の表面には空乏層14ができます。
(B)いま、半導体基板の裏側から光を当てたとします。半導体中には電子−正孔対ができ、電極にマイナス電圧がかかっているので、正孔15がこれに引かれて半導体表面の空乏層中に入ります。空乏層中に電荷を入れるやり方は別に光を当てる方法でなくても構いません。とにかく最初にどこかの電極の下に電荷を置いてあると考えます。
(C)つぎに隣の電極13にもマイナス電圧をかけます。電極12と13は狭い間隔(2〜3μmくらい)で作ってありますので、二つの電極の下の空乏層は繋がってしまい、そこにあった正孔はこの繋がった空乏層中に広がります。
(D)ここで電極12にかけていたマイナス電圧を0かプラスにすると、空乏層14'は電極13の下だけに残り、正孔もこの空乏層内にだけいることになります。つまり最初、電極12の下にいた正孔(電荷)は電極13の下に移った(転送された)ことになります。

 同じように電極にかける電圧を次々に変えてやることにより、電荷を右の方へ次々に転送してやることができます。普通、CCDの電極は図Eのように結線されています。これは前回のBBDと同じで、電極2つおきに同じ電圧がかかるようになっています。CCDのように電極が多い素子では1つ1つの電極に線を繋いで別々に外の電源に繋ぐのは大変です。配線はできるだけまとめて外に繋ぐ線は少なくしなければなりません。

 1方向につぎつぎと電荷を転送するためには最低でも3本の配線が必要です。図A〜Dの手順で右に移った電荷をさらに右に移すには電極13の右側の電極にマイナス電圧をかけなければなりませんが、配線が電極1つおきに繋がっていると、左側の電極12にもマイナス電荷がかかってしまい電荷はどちらに移るか分からなくなってしまいます。配線が3本あればこの問題はなくなります。もちろん4本以上でも構いませんが、配線は複雑になります。

 配線が3本の場合は3つの電極を1まとまりと考えることができます。図Eのように3つ先の電極の下にある電荷も同時に並行して転送されることになります。

 この特許の発明の名称は”Information Strage Devices”となっています。つまり初期にはCCDをまずは記憶デバイスとして応用することが想定されていたということです。これはBBDも同じです。ただし、この特許にはすでに撮像素子としても応用可能であることが記されています。これについては他の日本特許などを含めて次回説明することにします。

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