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zoom RSS CCDの固体撮像素子への応用

<<   作成日時 : 2007/01/21 22:46   >>

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 前回の最後にも触れましたが、CCDを最初に提案したベル研究所の特許(米国特許3858232号)にはすでにCCDがビデオカメラに応用できると書かれています。Fig.14(ここには載せません)がそれで、明細書の16ページ目の右側(14コラム)の一番上から説明がなされています。

 図に示されているように電極がある表面と反対側から光を照射すると、半導体基板中に電子と正孔の対ができます。半導体がn型で電極にマイナス電圧がかけてあると、発生した正孔だけが半導体と絶縁膜の界面近くに引き寄せられて貯まります。発生する電子と正孔の数は光の強度によって増減しますから、半導体表面に貯まる電荷の量は照射される光の強度によって変わります。つまりこの時点で、各電極部分の光の強弱の情報も含めてアナログ的に画像の情報が記録されることになります。

 この貯まった電荷をCCDの電荷転送機能を使って一方向に移動させ、端からそれを順番に流し出すことによって電流に変えれば、画像が電気信号に変換されることになります。特許ではこのときの問題点も指摘しています。それは電荷を転送している間も光が照射され続けていると、電荷を転送した後にも電荷が貯まり続けることになり、電気信号に変換された画像が元のものとは違ってしまいます。そのため、電荷を転送している間は光を遮断してやるなどの対策が必要です。

 固体撮像素子は画像を検知するという意味でイメージセンサと呼ばれることもあります。このイメージセンサには一次元のものと二次元のものがあります。一次元とはこれまで説明してきたようにCCDの電極を一列に並べたものです。画像の光をこの一次元イメージセンサに当てるとその画像のうち、どこか1つの線上の画像が記録されます。この線に垂直方向に画像が描かれている原稿を動かすか、イメージセンサの方を動かしながら、繰り返し画像情報を記録すれば、最終的に画像全体が記録できます。このようなやり方はファクシミリとかスキャナで使われています。

 しかしビデオカメラやデジタルスチールカメラの撮像ではこのようなやり方は使えません。レンズから入ってくる画像を二次元的に一気に捕らえる必要があります。このような目的にはCCDの電極を二次元に多数配列した二次元イメージセンサが使われます。一次元の場合は記録した画像を1方向に転送して端で電気信号に変えるようにすればよいですが、二次元の場合はどうすればよいでしょうか。これにはいろいろな考え方があります。画像

 ここでは現在もっともよく使われている方式であるインターライン転送方式を説明しておきます。この考え方もCCDの提案がされた後すぐにアメリカで提案されたようですが、ここではわかりやすい日本の特許を見てみることにします。ソニー社が1974年末に出願した特公昭57−32547号にはこのインターライン転送方式について丁寧な説明が書かれています。

 図Aがインターライン転送方式の原理図です。1が受光部で縦横二次元に配列されています。その横に縦方向に細長く示されている2が垂直CCDシフトレジスタ部と呼ばれています。これがCCDですが、これまで説明してきた構造と違うところは受光素子と電荷を転送するCCDの部分が分離されている点です。転送機能だけを行うシフトレジスタ部には光が当たらないようになっています。インターラインというのは「線の間」という意味ですが、受光素子のラインの間に転送部があるということを示しているわけです。下にある3は水平CCDシフトレジスタ部です。

 動作を説明します。光が受光部1に当たると電荷が貯まります。この各列の電荷をそれぞれ隣の垂直CCDシフトレジスタ部2に移動させます。移動が終わったところでCCDの転送動作を行い、一行分が水平CCDシフトレジスタ部3に出力されたところで、水平CCDの転送動作を行い、全行が終わるまで繰り返します。これで1画面分の電気信号への変換が終わります。

 図aのA-A'で切った断面図が図Bです。受光部1はn型シリコン基板10の上を覆うSiO2膜11上に透明電極12を付けたものです。この透明電極に電圧Vsとしてマイナスの電圧をかけておき、光18を当てると電極の下の部分に正孔が貯まります。この受光部のすぐ隣にトランスファ電極14が設けられています。トランスファ電極の電圧が0Vならば受光部に貯まった電荷は移動できませんが、トランスファ電極の電圧VLをマイナスにすると受光部の電荷は垂直CCDシフトレジスタ部のシフト電極13の下に移ります。シフト電極には垂直方向にφ1とφ2の電圧が交互にかかるようになっていて(前の例のように3種類の電圧でもよいです)、電荷の転送ができます。なお、シフト電極の上には遮光層17があって、この部分には光が当たらないようになっています。

 以上がインターライン転送方式の基本的な動作原理です。この特許は図Bの素子構造を簡略化することを目標にしていますが、実際にはこの特許の他にも非常に多くの改良を目的とした発明がなされています。それらを取り上げることはここではせず、つぎは別の撮像素子に話を移します。

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