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zoom RSS TFTの素子構造

<<   作成日時 : 2007/02/25 20:01   >>

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 1979年に水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)によってTFTが作れる見通しが見いだされた後、1980年代後半には液晶ディスプレイ用スイッチング素子としてTFTは早くも実用化されることになります。

 前にも説明した通り、このTFTは絶縁ゲート型の電界効果トランジスタの一種です。ただし単結晶シリコンを基板を用いたMOSFETとは少し素子構造が異なります。今回はこの素子構造について説明します。

 アモルファスシリコンTFTの素子構造でもっとも一般的なものは逆スタガ型と呼ばれるタイプです。「スタガ」とは妙な言葉ですがこれは何を意味するのでしょうか。スタガとはもう少し英語に忠実に言うと、「スタガード」で、英語の綴りは”Staggered”です。辞書で調べると、スタガードとは「ジグザグな」とか「千鳥の」という意味であることがわかります。画像

 例によって特許を使って具体的な構造をみていくことにします。「逆スタガー型シリコン薄膜トランジスタの製造方法」という発明の名称を冠した特公平06−46639号を参照します。図Aはその特許図面です。TFTの場合、基板は通常ガラスです。絶縁性基板1がそれに当たります。その上にゲート電極2、ゲート絶縁層3、アモルファスシリコン層4が順次積層されています。そして一番上にソース電極7とドレイン電極8が形成されています。

 おわかりのように普通のMOSFETと比べると上下が逆になっています。逆スタガの「逆」はこの意味です。半導体層が薄膜なので、その位置は別にガラス基板のすぐ上にある必要もありません。

 また半導体層が薄膜なので、MOSFETのようにソース、ドレイン領域に不純物拡散を行ったりすることもありません。ゲート電極直上のチャンネル領域の両脇にソース、ドレイン電極を接触させるだけです。図では半導体層4と電極層7、8の間に層5と6が入っていますが、これは半導体と金属電極の間のオーミック接触をよくするための層です。

 ところで、この構造では、ソース、ドレイン電極とゲート電極は半導体層4(チャンネル)に対して反対側にあり、ソース、ドレイン電極、ゲート電極がチャンネルに対して同じ側にあるMOSFETとは異なります。ソース、ドレイン電極とゲート電極とがチャンネルに対して反対側にある構造を称してスタガード型(略してスタガ型)と呼びます。特許の1ページ右側の一番下に「ゲート電極2がソース電極7およびドレイン電極8よりも絶縁性基板1側に形成された構造を有する」ものを逆スタガー型と称することが説明されています。

 これに対して順スタガ型とか正スタガ型と称する構造もあります。同じ出願人の特許(特開平1−281772)からその構造を説明しましょう。発明の名称は「トップスタガー型非晶質シリコン薄膜トランジスタ」となっています。トップスタガーも順、正と同じ意味で逆スタガ型とは反対の構造を意味します。図Bを見て下さい。

 絶縁性基板1は同じです。その上にソース電極4とドレイン電極5が設けられています。また絶縁性基板上にアモルファスシリコン層7が形成され、その上にゲート絶縁膜8、ゲート電極9が設けられています。逆スタガ型とは上下が逆で、MOSFETとやや近い構造になっていますが、チャンネルに対してソース、ドレイン電極とゲート電極とは反対側にあります。特許の2ページ左側の4行目以降に「ソース電極4およびドレイン電極5がゲート電極9よりも絶縁性基板1側に形成された構造を有する」ものをトップ(順または正)スタガー型と称することが説明されています。

 今回はTFTの素子構造の説明までとし、次回以降、トランジスタの作り方や特徴について説明していこうと思います。

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