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zoom RSS 誘導放出と似た現象

<<   作成日時 : 2007/05/27 19:57   >>

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 誘導放出をどう説明するか、これが今回のテーマです。この誘導放出という現象はあのアインシュタインによって最初に言い出されました。1915年頃のことでまだこれが誘導放出であるという実験結果が出ていたわけではありません。どこからこんな発想が出てきたのでしょうか。

 量子論はプランクの仮説から始まったのですが、それは黒体輻射という現象を説明するための理論でした。物質から熱線(電磁波です)がどんなメカニズムで出てくるのかについての考察でした。プランクは原子が振動するという考え方でしたが、アインシュタインは原子の回りを回る電子はある決まったエネルギーしかとれず、その決まったエネルギー間を電子が移るときにそのエネルギー差に対応した波長をもつ電磁波を出すという仮説(光量子仮説)を提唱しました。この仮説を黒体輻射に適用する際、誘導放出という現象があるはずと考えたのです。画像

 さて誘導放出と似た現象ですが、共振または共鳴現象があります。建物はある固有の振動数をもっていて地震でその振動数の揺れが来ると激しく揺れて壊れてしまうと言われています。これが共振現象の例ですが、振り子の振動でも同じです(図A)。重りに決まった長さのひもをつけて揺すったとき、振り子はその振れの大きさには関係なく決まった周期で行ったり来たりします。この振れはその周期に合わせた力が加わると、大きくなりますが、ずっと短い周期でブルブルっと揺すっても大きくはなりません。子供もブランコの揺すり方を体得していて、うまくタイミングを合わせて漕いでブランコの揺れを大きくして遊んでいます。

 正確な高さの音を出す音叉(おんさ)も良い例です(図B)。U字形をした鉄片をたたくと、鉄片の大きさによって決まった高さの音が出ます。昔、理科の授業でこんな実験をやったことはないでしょうか。2つの同じ音叉を並べ、片方をたたいて音を出し、すぐに押さえて振動を止めます。耳を澄ますとたたいていない方の音叉から音が出ています。音叉は自分の決まった振動数(固有振動数)の音波が来るとそれに共鳴して振動し音を出すのです。違った大きさの音叉を隣に置いたら同じことは起きません。

 電子に話を戻すと、電子は前回のように例えばE1とE2の2つのエネルギーしかとれないとします。どちらかにしかいられないのですからE1とE2の間を行ったり来たり振動しているとも言えなくはありません。そこにちょうどE2とE1のエネルギー差に一致したエネルギーをもった電磁波(光)が入ってくると共振現象のようなことが起こり、電子の行ったり来たりが激しくなります。電子がE1にいるとE2に移りやすくなり、E2にいるとE1に移りやすくなります。これが吸収と誘導放出です(図C)。

 エネルギーを考えてみると、振り子の場合のエネルギーは運動エネルギーと位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)の2つに分けられます。運動エネルギーは重りがもっとも速く動いている振れの中央でもっとも大きく、両端の折り返し点では速度が0になるのでもっとも小さくなります。位置エネルギーは逆に中央で最低、両端で最大となります。両方を足した全体のエネルギーはいつも一定に保たれています。

 電子の場合は、E1が最低エネルギーでE2が最高エネルギーです。E1からE2に移るときは入ってきた電磁波からエネルギーをもらいます。逆にE2からE1に移るときは電磁波を出してエネルギーを放出します。これで全体のエネルギーが一定に保たれていることになります。

 以上、光の吸収と誘導放出を共振現象として説明してみました。振り子や音叉の場合は物体の動きとエネルギーの動きが両方起こっていますが、電子の場合はエネルギーの動きだけです。その他、違いはいろいろあるので、電子の世界の現象を私達の身の回りで起きる現象と同じと考えるのは間違いですが、イメージとしてこのように考えてもよいかと思います。

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