石くれと砂粒の世界

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zoom RSS 光の増幅

<<   作成日時 : 2007/06/03 23:52   >>

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 前回、誘導放出という現象を言葉で何とか説明しようとしましたが、あまりわかりやすい説明とは言えなかったようです。もう一度まとめると、原子の周りを回っている電子が例えば図AのようにE1とE2という2つのエネルギーのうちどちらかのエネルギーしか持てないとします。ここでE2の方がE1よりも大きいとします。この原子にちょうどE2とE1の差に等しいエネルギーを持った光が当たると、共振現象のようなことが起こってE1にいる電子はE2に、E2にいる原子はE1に移りやすくなります。画像

 低いエネルギーのE1から高いエネルギーのE2に電子が移る現象を光吸収、逆にE2からE1に電子が移る現象を誘導放出と呼んでいます。光吸収の場合は入ってきた光のエネルギーは電子に吸い取られ光は消えてしまいますが、誘導放出の場合は新たに入ってきた光と同じE2とE1の差に等しいエネルギーをもった光が発生します。

 原子をとくに光を当てたり電圧をかけたりしない自然の状態に置いたとき(熱平衡状態にあると言います)、ほとんどの電子はエネルギーの低いE1の状態にいます。このような状態の原子に光を当てると、E1からE2に移る電子が主流になりますから、光吸収が優勢です。何らかの方法でE2にいる電子の方を多くしてやることができれば、誘導放出を優勢に起こすことができます。

 しかしこのような2つのエネルギーの状態があるだけでは上のエネルギーE2をもった電子を多くすることは困難です。なぜかというと光吸収によってせっかくE1からE2に電子を持ち上げてやっても同時に誘導放出が起こって戻ってきてしまいます。もともとE1にいる電子が多いわけですから、E2の方を多くすることはできません。

 そこで考え出されたのが図Bのようにもう一つのエネルギーE3にも電子がいられるような原子を使うことです。E3はE2よりも高いエネルギーです。まずE3とE1の差に等しいかそれより高いエネルギーをもった光をこの原子に当てます。E1をもった電子はE3まで持ち上げられます。ここでE3のエネルギーを持った電子はすぐにE2まで落ちてそこにしばらく留まるとします。これであればE2の電子をE1の電子より多くすることができます。E2とE1の間で自然放出が起き発光が起きると、その光をもとに誘導放出が起き、これは光吸収よりも優勢になることができるのです。

 一旦、誘導放出が優勢になると、例えばそれが固体のなかであれば、固体はある大きさを持っていてたくさんの原子からなっていますから、光がそのなかを進んでいくうちに誘導放出が誘導放出を引き起こし、どんどん光が強くなっていきます。つまり光が増幅されていきます。

 そんなうまいことができるのかというと、できるのです。大体のレーザでは図Bに似たような状態が実現しています。最初に実現したルビーレーザもこの典型例です。半導体レーザは実はだいぶ違うので、話が少しそれますが、次回はルビーレーザの話を少ししてみたいと思います。それが終わってから半導体レーザへ進んでいくことにします。

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