石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 半導体レーザの応用(レーザプリンタ、その他)

<<   作成日時 : 2008/04/27 20:48   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 0

 今回は、光通信、光ディスク以外で我々の身の回りにある半導体レーザを応用した製品についてまとめて紹介します。

(1)画像形成装置
 半導体レーザを利用している装置として、まずレーザプリンタあるいは複写機があります。「あるいは」と書いたのは印刷装置部分についてはこの2つの装置はほとんど同じだからです。

 ただ印刷装置すべてがレーザを使っているかというとそうではありません。現在、個人が家庭で使うような小型のプリンタの多くはインクジェット式で、レーザを使っていません。またLEDプリンタというレーザの代わりに発光ダイオードを使っているものもあります。

 文字や画像の印刷が必要な装置には、プリンタ、複写機の他に、ファクシミリもあります。これらは印刷するための文字や画像の情報がどうやって作られるかが違い、印刷自体は同じようにされています。
画像
 プリンタはコンピュータなどによってはじめから文字や画像を表す電気信号を作ります が、複写機は紙に書かれた原稿に光を当て、部分部分の反射光を受光素子で受けて電気信号に変換します。その電気信号に従って印刷を行うところは共通です。

 ファクシミリを受信するときは電話回線を伝わって送られてきた電気信号を印字するだけですからプリンタと同じです。送信するときは原稿に光を当てて読み取り電気信号に変える複写機と同じはたらきをします。ついでにスキャナという装置もあります。これは複写機やファクシミリと同じように原稿を電気信号に変えるはたらきをしますが、それをコンピュータなどに送るだけで印刷機能をもっていません。

 以上のようにプリンタ、複写機、ファクシミリは印刷装置部分が共通です。これをまとめて画像形成装置ということがあります。ついでに複写機、ファクシミリ、スキャナは光を当てて原稿を読み取る部分が共通ですが、これを画像読取装置ということがあります。これらの装置はこのように共通部分を多くもっているので、全部をひとつにまとめた複合機という製品が作られています。

 レーザによる印刷の原理は電子写真式と言われるもので、装置は図Aのようなものです(図は特開昭58-207019号より)。感光ドラム5の表面には感光体といって光が当たるとその部分だけ帯電する材料の膜が着けられています。印刷したい文字や画像の通りに感光体に光を当て(露光すると言います)そこに炭素の粉(トナー)をふりかけると帯電した部分にだけトナーが吸い着けられます。これを紙に写しとり剥がれないように処理すれば印刷ができるという仕組みです。

 感光体にどうやって文字や画像にしたがったレーザ光を当てるかですが、使うのは一つの半導体レーザ1です。1本の光線をそのまま感光ドラムに当てても点にしかなりません。そこで光線を横に動かして感光ドラム上に直線状に光を当てます。そうするために鏡を回して角度を変えながら光線を反射させます(走査またはスキャンすると言います)。

 実際には図Aのようにポリゴンミラー3という8面にミラーがついた多面鏡を回転させます。一方、印刷する文字や画像の電気信号にしたがって半導体レーザをオンオフさせると、感光ドラム上に点線状に帯電した部分を作ることができます。ミラーが回転してつぎの直線が描かれるのに合わせて回転ドラムが回転し、次の電気信号にしたがって重ならないように新たな直線部分が帯電されます。これを繰り返しながら1枚分の画像が形成されます。ミラーの回転、感光ドラムの回転、電気信号の3つがうまくタイミングをとって動作しないと望みの画像は印刷できません。

 以上の原理からレーザは必ずしも半導体レーザである必要はなく、かつてはHe-Neレーザなどのガスレーザが使われた装置もありました。しかし半導体レーザを使えば装置を小型にできること、光の変調(オンオフ)が簡単なことなど利点があり、今では半導体レーザを使うのが普通です。

(2)バーコード読取装置
 最近は多くのお店で商品の価格をバーコードから読み取るようになり、その他いろいろな目的でバーコードが使われるようになっています。このバーコードの読み取りにもレーザ光が使われています。

 図Bはバーコード読取装置の原理を示しています(図は特開平9-305692号より)。半導体レーザから出射した光はレーザプリンタと同じようにポリゴンミラー24で走査され、バーコード25の上を横切ります。そのときバーコードにしたがって反射光に強弱が付きますから、これを受光素子27で受けて電気信号に変えます。
 
 この装置もレーザは別に半導体レーザでなくてもよく、スーパーなどの据置型の読取装置ではHe-Neレーザを使っているものもありました。しかし手持ちの読取装置などでは小さい半導体レーザが必須と思われます。

(3)レーザポインタ
 資料をスクリーンに写してプレゼンテーションをするときなどに、指し棒の代わりにレーザポインタがよく使われるようになっています。これは単純に直進性のよいレーザ光を利用しているだけですが、パソコンの制御と組み合わせたりしていろいろな機能をもった製品が開発されています。

 構造は図Cのような簡単なものです。ボールペンなどより少し太いくらいのケース4に乾電池(普通2本、3V)と半導体レーザ1、その駆動回路2が入っています。この図でははっきりしませんが、半導体レーザの出射光は広がりますから、集光用のレンズが付いています。

 発光色は赤色のものが多いですが、緑色のものもあります。赤色のものは波長が650nm前後でAlGaInP系の半導体レーザが使われていると思われます。緑色のものは波長がおよそ530nmで、これにはInGaNを活性層にしたGaN系が使われていると思われます。電池である程度長時間動作しなければならないので、しきい電流値が小さいことが必要で、量子井戸レーザが使われているようです。

 このレーザポインタはこのようにかなり性能のよい半導体レーザが駆動回路付きで簡単に入手できるため、実験用の手軽なレーザ光源としても利用できます。光の干渉実験などのデモンストレーションが簡単に行えるので、そのような利用価値もあります。

 しかしレーザ光が装置内で使われる場合は、使用する人が光を見ることはほとんどないですが、レーザポインタは空中に光を放射するところが違います。レーザの強い光は目に入ると障害を起こす恐れがあるので、安全に注意する必要があります。レーザポインタの出力は1mW以下程度と安全基準に沿うように必要最小限に抑えられています。それでも可視光は目の水晶体などで吸収されることがなく網膜に達してしまうので危険です。出射部を直接のぞき込むようなことは避けるべきです。

 以上が大体、我々の身の回りで使われている半導体レーザの例ですが、出力の増大など特性の改善は進んでおり、特殊な用途を含めると半導体レーザは非常に広い範囲で使われるようになっています。
 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い
驚いた
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
半導体レーザの応用(レーザプリンタ、その他) 石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる