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zoom RSS 年間平均日射量

<<   作成日時 : 2008/09/14 23:56   >>

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 前回説明したように地表の日射量は地軸に傾きがあるため季節によって変動します。この変動は地球の公転周期つまり1年の周期で繰り返しています。

 このほか日射量は緯度に依存します。緯度によって太陽が出ている時間が変わりますし、地表に入射する太陽光線の角度も異なるからです。さらに地域の天候によっても変わります。1年のうち、晴天である時間はその地域によってかなりの違いがあるようです。
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 以上のような変動は大体1年周期で繰り返すと考えられますから、年間平均値をとれば、それがその地域の特徴を表していると言えます。つまり年間平均日射量に応じて太陽電池で発電できるエネルギーの量が地域ごとに見積もれることになります。

 このようなデータは各地で測定されています。世界的には「太陽定数」のところで紹介したWRCがデータを収集していますが、日本国内のデータは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公開しています。同機構のホームページの「資料・データベース」のページ:
   http://www.nedo.go.jp/library/index.html
をみると、全国日射量平均値データマップ(MONSOLA05(801))という項があり、データ参照プログラムをダウンロードすることができます。

 図は日本各地の年平均全天日射量の平年値を示しています(全天日射量については後で説明します)。平年値とは1961年から1990年の30年間の平均値という意味です。測定地点は図中に示されている全国の有人の気象観測所と無人のアメダス801地点です。

 このデータを眺めているといろいろなことが分かります。日射量は南へ行くほど高い傾向があるのは常識的にわかりますが、本州でもっとも高いのが長野県中央部であるのは意外です。この諏訪盆地は降雨量が少なく、年間を通じて晴れの日が多いのがその理由と思われます。瀬戸内地方も雨が少ない地域として知られています。

 この他、北海道南東部の太平洋沿岸にも日射量の高い地域があり、これも以外です。一方、北陸から東北地方の日本海側にかけての内陸部は日射量の少ない地域になっています。これは冬季の天候が悪いことによっていると考えられます。

 日射量の定義にはいくつかの種類があります。上の図で使われている全天日射量とは地表にあらゆる方向からやってくる日射をすべて含めた日射量です。日射は太陽の方向からだけ来ると思われがちですが、地球では大気によって太陽光が散乱されるので、太陽光はいろいろな方向から地表に降り注いでいます。

 大気に塵など散乱を起こす粒子が多く含まれている都市部では、空の色が白っぽく見えますが、これは散乱した光が太陽の方向以外から届いているためです。高山など空気がきれいなところでは空の青色は暗い感じに見えます。大気による散乱が少ないためです。大気がない月の表面では空は昼でも暗く、太陽だけが光っていることになります。

 太陽の方向から直接やってくる日射量のことを直達日射量といい、それ以外の方向からくる日射量を散乱日射量といいます。直達日射量と散乱日射量を足したものが全天日射量です。この他、地表面や地表にあるいろいろな物体が反射する反射日射量というものもあります。

 日射量の測定方法については「太陽定数」のところでも少し触れましたが、もう少し詳しく説明しておきます。上の図の日射量の単位はMJ/m2・dayとなっていますが、日射量は単位面積当たりに入射する太陽光のエネルギーです。つまり測定は光のエネルギー(強度)を測ればよいことになります。
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 この測定ができるのはまさに太陽電池です。半導体のpn接合に光が入射するとそのエネルギーを電気エネルギーに変わるので、これを電圧計などで測ればよいわけです。実際にこのような半導体光検出器を使った日射計も開発されています。小さなチップ1つで測定ができるので、持ち運びに便利な小型機器ができる点ではよいのですが、この半導体式には波長依存性があるという難点があります。太陽光は前々回に説明したように、広いスペクトル分布をもっています。日射量はある特定の波長の光ではなく、この全体の波長範囲を含めて測りたいので、波長依存性の少ない測定方法の方が有利なのです。

 そこで広く用いられているのが、熱の測定を利用する方法です。光を反射しない黒い物体(理想的なものを黒体と言います)に当てると光のエネルギーはその物体に吸収され熱に変わります。この熱に変わるエネルギーはほとんど光の波長によらないので、日射量の測定に向いています。熱エネルギーの増加は温度の上昇になって現れますから、温度を測定すれば求められます。

 温度の測定もいろいろな方法で行われますが、正確な測定には熱電対が使われます。熱電対は異なる金属を接触させると電圧が発生するゼーベック効果という現象を利用しています。種類の違う金属のワイヤの端を溶接するなどして繋ぎ接点を作り、その反対側に電圧計を繋いで接点部分を加熱すると電圧計に電位差が発生したことが示されます。

 正確な測定には図Aのように2本のワイヤの両端を繋ぎ、2つの接点を作ります。そして一方の接点を一定温度に保ちます。この一定温度として普通0℃が使われます。接点を氷水に漬けるだけで実現できるので簡単だからです。途中に電圧計を入れて電圧を計ればもう一方の接点の温度によって電圧が変化します。電圧計を繋ぐとこの部分に別の金属が挟まってしまうかもしれませんが、その部分に温度差がなければその影響は打ち消されるので問題ありません。

 熱電対に使う金属の組み合わせは、起電力が大きく、しかも温度と電圧の関係ができるだけ直線的になるものが選ばれます。よく使われているのは銅とコンスタンタンの組み合わせです。コンスタンタンは銅とニッケルの合金です。

 現在よく使われている温度測定器では接点1つの熱電対を繋げるだけで、温度を換算して表示してくれるので、氷水に漬けるような手間もなくなっています。

 全天日射計は図Bのようなガラスのドームの中に黒色の板を水平に置き、あらゆる方向から入射する光を受け、それによる温度上昇を測っています。実際には正確な測定をするために熱電対を多数繋いだ熱電堆というものを使い接点の配置などにも工夫が凝らされています。

 直達日射計の場合は、温度測定部分は上記の場合と同じですが、太陽からの直接光だけを捕らえるように図Cのように筒状のものを使います。自動的に太陽の方向を追尾する装置もあり、これを使えば長時間の測定ができます。全天日射計でこの直達光の部分だけを塞いで測定すれば、散乱日射量が測定できます。
 

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