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zoom RSS 太陽電池の効率を低下させる原因(その2)

<<   作成日時 : 2008/11/09 19:13   >>

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 前回、入ってきた太陽光エネルギーが失われ、電気エネルギーになってくれない原因の1つとして、太陽光が太陽電池の中にうまく入ってくれないことを取り上げました。そして具体的には表面での反射について調べました。

 太陽光が太陽電池の中にうまく入ってくれない原因が他にもあります。太陽電池は電力を取り出すのが目的ですから、どうしても電極が必要です。しかし電気をよく通す金属は普通、光を遮ってしまうので、これが太陽電池の表面にあると、当たり前ですが太陽光が太陽電池のなかに入らない原因になってしまいます。

 これを解決する手段は2つあります。1つは光を遮る電極を小さくすることです。もう1つは電極を透明にすることです。しかし両方にそれぞれ問題点があります。それを少し調べてみましょう。

 電極を小さくするためによく使われるのがフィンガー電極と言われる細い電極です。フィンガーとは指のことですから、5本の指を広げたときのように間に隙間があるというイメージです。前に示した太陽電池の基本的な構造の図で示しているのがフィンガー電極です。ここでは特許図面で例を示しておきます。
画像
 この図は特開昭49-114887号からとったものですが、フィンガー電極はもっと以前からあったので、これが最初という意味ではありません。シリコンなどの半導体のpn接合16のn側14表面に細い指(フィンガー)電極18が多数平行に設けられています。これと直交するように少し太い電極20が2本設けられ、その端に外部と接続する配線用のパッド22が作られています。この明細書ではこの太い電極も指電極と呼んでいますが、これのことをバスバー(bus bar)電極と言うこともあります。

 図ではわかりにくいですが、細い電極18の間の隙間は誘電体膜で埋められています。これが前回説明した反射防止膜になります。電極と電極の間をどうやって誘電体膜で埋めるのかについては明細書に詳しく説明されていますが、ここでは話が逸れるので説明しません。なお電極の上にあるのは保護用のガラス板です。

 このような電極の場合、その形がとても重要です。電極は太いと光を遮るので細い方がいいのですが、細すぎると電気をよく通す金属でも電気抵抗が大きくなってきます。電気抵抗が大きいと取り出せる電力が少なくなってしまうのでよくありません。

 また電極の間隔も重要です。電極の間隔は広い方が光を遮る量が減るのでよいのですが、電極から遠いところで発生した電子は半導体中を長い距離移動しなければなりません。半導体は普通、金属より抵抗が大きいので、距離が長いとその影響は大きくなります。

 このフィンガー電極は現在、製品の太陽電池でもよく使われていますが、上のような問題にできるだけ折り合いを付けるように設計されます。大体のイメージでは電極の幅(太さ)は0.1mmくらい、電極間の幅は数mmくらいといった感じで、かなり細い電極が使われています。この細い電極の電気抵抗の影響をできるだけ減らすように、少し太いバスバー電極を数本入れることもよく行われています。

 一方、電極を透明にすれば以上のような問題は解決するように思われます。しかし透明な物質が電気をよく通すというのは本来無理な話なのです。可視光をよく通すということはバンドギャップエネルギーが大きいということで、バンドギャップエネルギーが大きいと自由な電子ができにくいことになりますから、抵抗の低い導体にはなりにくいのです。しかし透明でも抵抗が低い例外的な物質があります。その代表が、酸化スズ(SnO2)や酸化インジウムスズ(ITO)です。

 しかしこれらの電気抵抗は低いといっても金属よりはかなり高く、抵抗を下げるために膜を厚くすると光の透過率が下がってしまうという難点があります。また抵抗の低い膜を作るためにはかなり高温で成膜しなければならないという問題もあります。

 このため、単結晶半導体を使った太陽電池には金属のフィンガー電極の方がよく使われるようです。しかし非晶質(アモルファス)の薄膜太陽電池には透明電極も使われています。アモルファスシリコンなどは、半導体自身の抵抗がかなり高く、フィンガー電極の問題点が現れやすいのが1つの理由です。また薄膜太陽電池の場合は、ガラス基板に先に透明導電膜と着けたものを用意し、これに半導体の薄膜をつければいいので、抵抗の低い透明導電膜付き基板を別に作って用意しやすいということもあります。

 このように電極はできるだけ光を遮らないように、しかも抵抗が小さくて電力をよく取り出せるように、という要求を満たすように選びたいのですが、この2つの条件は一方を立てれば、他方が立たずということになりやすいのが難しいところです。 

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