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zoom RSS SoG−Siの作り方(その3)

<<   作成日時 : 2009/03/01 19:06   >>

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 ソーラーグレードシリコン(SoG−Si)の作り方としてシーメンス法と冶金学的方法の2つを紹介しました。シーメンス法が早い時期に開発され、しかもかなり有力な方法でしたので、その後これを越えることを目的に多くの方法が研究されました。とくに重視された点はコストを下げることと、大量に生産できることの2点です。

 研究された方法は多彩でそれぞれ特徴をもっていますが、シーメンス法を完全に凌駕し、取って代わるまでには至っていないようです。ここですべての方法を漏れなく説明することはとてもできないので、二、三の方法を取り上げるに留めたいと思います。 

(1)亜鉛還元法 
 1番目はシーメンス法と似た方法で、四塩化珪素(SiCl4)を原料にし、これと金属亜鉛(Zn)を反応させる方法です。亜鉛が塩化亜鉛(ZnCl)になり、SiClがSiになるという反応を使います。

 特徴はこの反応がシーメンス法より低温で起こるので、エネルギーが少なくて済むという点です。もう一つはZnClは比較的簡単に還元してZnに戻すことができるので、Znを再利用することで資源の消費を減らせるという利点もあります。

 この方法はかなり以前から知られていましたが(例えば特開昭54-84284号参照)、冶金学的方法と並行してNEDOのプロジェクトでその利点を確認する実験が行われました。

(2)流動床法
 これは粉体あるいは顆粒を作る方法としては古くから知られている方法です。SoG−Siの製法としてもかなり早い時期から応用されました。図がこの方法の装置です。この図は特開昭57-135708号からとりました。
画像
 Siの塩化物の気体からSiを析出させる点はまったくシーメンス法と同じです。シーメンス法はSiの心棒の表面にSiを析出させていますが、心棒の表面積はそれほど大きくないので、原料ガスに無駄が多いという欠点があります。

 そこで反応容器1のなかにSiの粉5を入れ、ヒータ10で加熱しながら反応ガスであるトリクロロシラン(SiHCl)と水素(H)ガスを下側の導入管2、3から入れます。Siの粉はガスによって反応容器中全体に巻き上げられます。ガスからこの粉の表面にSiが析出することになるため、反応ガスが無駄なく消費されることになるわけです。粉が動き流動するので、流動床という名前がついています。

(3)水ガラス法
 上記(1)と(2)の方法はSiの塩化物を出発点にするシーメンス法と似た方法でしたが、これとは違った観点の方法もあります。その一つがこの水ガラスを用いる方法です。

 前にも触れましたが、Siを得るための原料は元を辿ればすべて自然界にたくさんある二酸化珪素(SiO)です。実際に使う鉱物は珪石あるいは珪砂です。これにコークスなど炭素を混ぜて焼くことにより、SiOが還元されてSiができます。

 原料は自然界から採掘されるものですから、不純物を多く含んでいるのが普通です。この不純物をいかに効果的に取り除くかがSoG−Siの作り方のポイントです。シーメンス法等では液状のシリコン塩化物に一旦変えることによって不純物を取り除こうという考え方でした。

 一方この水ガラス法というのはSiの塩化物は使わずに純度を上げる方法です。水ガラスとは何でしょうか。これはケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO、n=2〜4)が水に溶けたもので、ガラスのように無職透明ですが、ドロッとした液体です。色は違いますが、ちょうど水飴のような感じの不思議な物質です。実はこれ、乾燥剤のシリカゲルの原料です。

 この水ガラスは珪石に炭酸ナトリウム(NaCO)を主成分とするソーダ灰というものを混ぜて焼き、水蒸気を加えることにより、作ることができますが、この過程で不純物が除かれます。この水ガラスはナトリウムを含み、強いアルカリ性ですが、塩酸により中和するとシリカゲルになります。これを脱水すると5NくらいのSiOが得られるので、これを還元すると純度の高いSiが得られるというわけです(例えば特開平2-311310号参照)。

 鉱物から工業的に使える純度の高い物質を取り出すにはこのようにいろいろな手段が工夫されています。こういうことに馴染みのない人にとっては不思議かもしれませんが、いずれもかなり古くから知られていた手法を基礎にしていると言えます。

 最初にも述べたようにSoG−Siの作り方はこれ以外にも多くの方法が研究されていますが、ここではこれくらいに留めます。SoG−Siの原材料が得られたといっても、これをそのまま太陽電池にすることはできません。基板として使えるように成形する必要があります。つぎはその段階について調べてみることにします。

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