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zoom RSS シリコン薄膜の作り方(その3)

<<   作成日時 : 2009/05/04 21:22   >>

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 これまで、その1ではアモルファスシリコン薄膜、その2では微結晶シリコン薄膜の作り方について説明してきました。シリコン系の薄膜太陽電池で実用的に使われているのはだいたいこの2つの材料だと思われます。

 今回は前2回では触れられなかった製法や材料についての二、三の話題をまとめて取り上げたいと思います。

(1)光CVD
 アモルファスシリコン、微結晶シリコンの成膜ではプラズマCVDが標準的な方法になっていることはすでに説明した通りです。このプラズマCVDは、放電によって電荷をもった粒子を加速して衝突させ、そのエネルギーでモノシランなどの原料を分解し、できたシリコンを基板上に積もらせます。

 この原料を分解するための手段は放電しかないわけではありません。モノシランは紫外線が当たると分解するので、これを利用することもできます。この方法は光CVDと呼ばれています。

 放電で電荷を帯びた粒子を加速させると、粒子は激しく基板にぶつかるので、折角できた膜を傷つけてしまうことがあります。光を使えば粒子は加速されることがないので、そのような心配はなくなります。

 特開昭59-190209号(特公昭61-45707号)には光CVDによりアモルファスシリコン膜を作る方法が示されています。ここに書かれているように光CVDの難点は膜ができる速度が遅いことです。そこでこの特許では放電と両方を使うことを提案しています。光CVDはこの欠点から今ひとつ広く使われるに至っていません。

(2)多結晶薄膜の成長
 微結晶よりもっと結晶が大きく、膜全体がほぼ結晶で埋め尽くされているような状態、つまり多結晶の薄膜ができれば、多結晶基板を使った太陽電池と同等の効率をもった薄膜太陽電池ができるだろうという期待がもてます。

 このような多結晶Si薄膜は太陽電池より薄膜トランジスタの分野ではより強く求められています。それについてはこちらhttp://denkou.cdx.jp/Ele/E3/EF3_8.htmlを参考にして下さい。

 太陽電池の場合は、アモルファスや微結晶薄膜での変換効率がかなり向上していますから、多結晶薄膜を使ってそれをいくらか上回ることができたとしても、膜を作るコストが大幅に上昇してしまうと、使いづらいことになってしまいます。多結晶薄膜太陽電池の難しさはそのような点にあるように思われます。

(3)球状シリコン
 薄膜ではありませんが、ウェハを作るようなバルク(塊)でもない変わり種を紹介しておきます。それはシリコン単結晶の小さな球を作り、これをたくさん並べて太陽電池を作ろうというアイデアです。アメリカのテキサス・インスツルメンツ(TI)社が最初に提案しました。同社が提案したシリコンの球の作り方は特開昭58-55393号(特公平01-57077号)に書かれています。同社はこれを並べて太陽電池に応用することを提案していますが、それについては後で触れることにします。
画像
 Ti社提案のシリコン球を作る方法はボート上で粒状に融かしたシリコン表面を一旦、酸化した後、冷却するというものですが、その後、もっとシンプルな方法が提案されています。それは融かしたシリコンをノズルから空中にポタポタと垂らすという方法です。シリコンの滴は空中で冷えて固まりますが、そのとき自然に球状になるというものです。球は小さければ、その中身はほとんど単結晶になります。

 図は特開2002-292265号(特許3636993号)から引用したものです。直径1mmのノズル209を使って直径1mmのシリコン球ができると書かれています。この大きさはもはや粉ではなく、ビーズと言うイメージです。

 以上、シリコンの薄膜や小さな球(ビーズ)を作る方法を紹介しました。ビーズの場合はほぼ単結晶のようですが、薄膜の場合はアモルファスまたは微結晶を含むものが普通です。次回以降ではこれらを使った太陽電池がどのようなものであるかを調べていくことにします。

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