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zoom RSS 太陽光発電システムの構成

<<   作成日時 : 2009/09/06 19:23   >>

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 今回は太陽光発電システムの具体的構成を特許に書かれている例で見ていきましょう。まず独立型について考えます。図Aは特開平6-266454号に示されたシステムのブロック図です。このシステムは商用電源の系統7にも接続できるようになっていますが、スイッチ8をオフにしてしまうと独立型として動作します。

 このシステムは太陽電池パネル1で発電した電力を負荷6で消費する目的で構成されていますが、余った電力はバッテリ4に蓄積できます。前回の図でいう変換器がDC/DCコンバータ5とインバータ3に相当し、2次電池がバッテリ4に相当します。
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 この例では負荷は商用電源でも使うので、交流用です。そのため太陽電池で発電される直流を交流に変換する必要があります。インバータ3はこの直流を交流に変える変換器です。

 インバータというとデジタル回路では0→1と変わる信号を1→0の変化に反転させる回路のことです。”invert”という英語を辞書で調べると、「反転する」という意味がありますから、インバータは反転器という意味です。

 ところが電源回路でのインバータはこれとは別物です。商用電源は大多数の国で交流で供給されていますが、電子回路は直流電源で動作するので、交流から直流への変換は当たり前のように行われています。これに比べると直流から交流への変換はそれほど当たり前ではないので、逆に変換するといえば直流から交流に変換することを意味するようになったようです。

 身近には蛍光灯に使われるものや、エアコンに使われるインバータなどがあります。いずれも商用電源とは違う交流を発生する役割を担っています。蛍光灯の場合はちらつきを減らすために商用電源の周波数(50または60Hz)を高く変更しています。エアコンの場合は、交流で動くモータを細かくコントロールするためにやはり周波数を変えるのに使われています。

 一方、DC/DCコンバータというのは直流電圧を変更する変換器です。直流電圧を変えるだけなら、抵抗を2個直列にしてその間の電圧を使えばいいではないかと思われがちですが、これは電流を流さない場合の話です。2つの抵抗の間から電流を取り出すということは、そこに小さな抵抗がつながったのと同じですから、電圧の配分はその新たにつながった抵抗の影響を受けて変わってしまいます。それを見込んで抵抗値を調節したとしても、分割抵抗を流れる電流はまったく無駄な電力となってしまいます。DC/DCコンバータはこのような損失を発生しないように考えられた電圧変換器です。

 このDC/DCコンバータの役割はつぎのようなものです。太陽電池の出力の電流−電圧特性は入射光のパワーによって変わります。このため太陽電池につなぐ負荷抵抗を調節してもっとも大きなパワーが取り出せるようにした方がよいわけです。DC/DCコンバータの出力電圧が可変であれば、その出力電圧を調整して太陽電池からいつも最大の電力が取り出せるようにすることができます。また太陽電池の出力電圧と2次電池の充電電圧やインバータの入力電圧が異なっている場合には、その調整もできます。

 インバータがどのような方法で直流を交流に変換しているのかを簡単に紹介しておきます。図Bはインバータの基本的な回路です(特開平8-9557号より)。太陽電池1が発生した直流電圧はMOSFETなどのスイッチ素子10a〜10dを使ったスイッチング回路3でオンオフされ、パルス状に変えられます。これをコイル(インダクタンス)4とコンデンサ6からなるフィルタ回路に通して正弦波状の交流電圧を得ます。

 なお制御回路11はスイッチ素子をオンオフするタイミングを制御する信号を出します。交流の周波数を自由に決めることができます。なお、独立型の太陽電池の場合、これらの変換回路を動作させる電源も太陽電池に頼るしかありません。制御電源回路9は太陽電池から電源を得て制御回路を動作させる電源電圧を出力します。

 DC/DCコンバータの回路は図Cのようなものです(特開平6-266454号より)。トランジスタ31〜34は図Bのトランジスタ10a〜10dに相当し、直流電圧をオンオフしてパルス状にしています。これを直接、変圧器(トランス)35の1次側に接続していますが、トランスの巻線もインダクタンスですからパルス電圧はなまり、正弦波に近いものになります。この電圧を負荷が使うわけではないので、この電圧がきれいな正弦波である必要はありません。トランスの2次側には巻数の比によって1次側と異なった電圧が発生しますからこれをダイオード36〜39によって整流すれば、入力電圧と違う直流の出力電圧が得られます。トランスによる電圧変換は基本的に損失なく(実際には少しの損失はありますが)行えます。

 さて図Aに戻って、太陽電池で発電された電力は負荷で消費されます。電力に余りがあれば、その分はバッテリに蓄えられます。逆に太陽電池の出力が負荷を動作させるのに足りない場合は、バッテリからその不足分が補われます。

 商用電源系統と接続する系統接続型の場合も同様で、太陽電池で発電された電力に余りがあれば、その分は系統に逆流させます。逆に太陽電池の出力が負荷を動作させるのに足りない場合は、系統からその不足分が補われます。

 太陽電池は入射光パワーに対して10〜20%程度しか出力できないことはこれまで説明してきましたが、今回のシステムを使うと変換回路などを動かすための電力を賄う必要があり、変換回路も効率100%ではないため、負荷が使える電力はどんどん目減りします。このため、太陽電池そのものの高効率化だけでなく、周辺回路の省電力化も重要なことがわかります。




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