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zoom RSS pn接合フォトダイオードの特性

<<   作成日時 : 2009/11/15 19:27   >>

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 前々回にフォトダイオードは同じ光電変換素子の仲間の太陽電池とは違って、逆方向の電圧をかけて使う場合が多いことに触れました。この点についてもう一度見ておくことにします。

 図Aはpn接合ダイオードに電圧をかけたとき、どのような電流が流れるかを示したグラフです。横軸は電圧ですが、プラスはp型半導体側にプラス、n型半導体側にマイナスの電圧をかけたいわゆる順方向バイアスの場合を示します。
画像
 青い線は光を当てていない場合ですが、順方向バイアスの場合は小さな電圧で大きな電流が流れます。これはn型半導体には電子が、p型半導体には正孔が、電極からどんどん供給されるためです。発光ダイオードはこの状態で、電子と正孔がどんどん結合して光を出します。

 電圧をかける方向を反対にして、p型半導体側にマイナス、n型半導体側にプラスの電圧をかけた場合が、横軸のマイナス方向ですが、これを逆バイアスの状態といいます。この場合は図のように光が当たっていないと電流はほとんど流れません。電子と正孔はそれぞれプラスとマイナスの電極の方に移動しますから、pn接合を通り抜ける電子や正孔はなくなり電流は流れません。

 赤い線は光を当てた場合です。マイナス(逆バイアス)側でマイナス方向の電流が流れていますが、これが光電流です。光の強さが一定ならば、電圧がマイナスの方向に大きくなってもあまり光電流の大きさは変わりません。これは一定強度の光によって生成される電子−正孔対の数は一定だからです。

 電圧が0またはプラス(順バイアス)側で電圧が小さいときにはマイナス方向に光電流が流れます。この特性は太陽電池の特性と同じものです。順方向の電圧が大きくなると急に大きくなる電流によって光電流は打ち消されてしまいます。

 このようにフォトダイオードは0バイアスか逆バイアスの状態で使います。しかし比較的大きな逆バイアスをかけて使う方がよいと考えられます。それはなぜかについて考えてみます。

 pn接合に逆バイアスをかけた場合、内部の電界は一様な強さになりません。しかも電圧の変えた場合、その様子が複雑に変化します。これは絶縁体に電圧をかけた場合とまったく違う半導体にしかない性質です。

 図Bはpn接合のエネルギーバンド図ですが、逆バイアスがかかると、電子と正孔はそれぞれ反対側の電極近くに移動し、接合付近にはいなくなります。これが空乏層です。空乏層の部分は電界がかかっています(電位が傾斜しています)。外からかける電圧が大きくなると空乏層となる部分の幅が広くなり、電位の傾斜が急になります。

 なぜそうなるかと言いますと、n型、p型の半導体には電子、正孔を供給するための不純物が導入されているからと言ってもいいでしょう。これらの不純物は例えばn型の不純物原子の場合、電子を出して自らはプラスの電荷を持ちます。p型の場合はマイナス電荷を持ちます。放した電子や正孔は電界がかかるとそれに引かれて移動しますが、不純物原子は移動できませんから、半導体内部が電荷を持った状態になります。電圧が大きくなるほど電子、正孔は遠くへ引き離されますが、そうなるほど不純物原子が帯電した範囲が広くなり、電子、正孔を元へ戻そうという力が大きくなります。これがバランスするように空乏層の幅が決まります。

 後で紹介しますが、フォトダイオードでは通常、p側かn側のどちらか一方から光を入射する構造になります。この光が前回説明したように半導体内部まで入り、空乏層のところで電子−正孔対ができると、電子と正孔はその場にある電界によって移動し光電流となります。しかし空乏層でない場所で電子−正孔対ができても、なかなか空乏層のところへたどりつけず、光電流にならずに終わってしまう場合があります。できた電子と正孔が多く電流になるほど、フォトダイオードの感度がよいことになりますから、空乏層は広くして使う、大きな逆バイアスをかけて使った方がよいことになります。

 ただしこの逆バイアスの電圧はどこまでも大きくできるわけではありません。図Aのマイナス電圧の大きいところで急激に電流が増えていますが、これは接合部分に高い電界がかかり、この部分が破壊(ブレークダウン)したことを示します。図の程度なら電圧を下げれば元の状態に戻りますが、電圧をどんどん増やしてしまうと半導体が融けるようなことになりダイオードは本当に壊れてしまいます。逆バイアス電圧はそこそこにする必要があります。

 逆バイアスをかけることは感度のため以外にもいいことがあります。それは応答時間です。光が当たってから電流が流れ始めるまでには短いですが、少し時間がかかります。これが応答時間で、例えば光通信などでは高速でオンオフする光の信号に対して遅れずに電流のオンオフに変換できる必要があり、応答時間は短い必要があります。

 逆バイアスを大きくすると、空乏層内の電界は大きくなります。電子、正孔は電界が大きいほど速く移動しますから、それだけ電極に到達する時間が短くなり応答速度が速くなります。

 さらに逆バイアスがかかった状態のpn接合はコンデンサとみなせ、静電容量をもちます。フォトダイオードに流れる光電流がオンオフするとき、このコンデンサは充電したり放電したりするわけですが、これにも時間がかかります。静電容量が小さいほどこの時間は短くなります。逆バイアスの電圧を大きくして空乏層の幅が大きくなるほど静電容量は小さくなるので、応答時間は短くなります。

 次回からは具体的なフォトダイオードの構造について紹介していくことにします。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ブログ拝見しました。空乏層の説明は理論的で理解ができました。とめも分かりやすかったのですが、しかし疑問が残ってしまいました。もしお時間があれば、読んでいただけると嬉しいです。
なぜ逆バイアスをかけるか、について考えていたところ「負荷線」を思い出しました。この負荷線をV-Iグラフに描くと、逆バイアスがあった方が出力電圧がより広い範囲で使えると思います。
もし逆バイアスがなかったら、太陽光パネルと同じになってしまい、出力電圧が開放電圧までになってしまうのでは?と思いました。
この考えについては如何でしょうか?
電電学生
2017/01/22 09:09
電電学生様
コメントありがとうございます。逆バイアスの効果について仰る通りと思います。ただフォトダイオードの出力はアンプで増幅する場合が多いのでダイオードからの出力電圧はあまり気にしていないように思います。
砂粒
2017/01/22 11:06

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