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zoom RSS pinフォトダイオードの構造

<<   作成日時 : 2009/11/29 18:44   >>

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 今回はpinフォトダイオードが具体的にどのような構造をもっているかについて紹介します。

 pin構造のダイオードですから、それほど多様な構造があるわけではなく、代表的なものとしては以下の図Aと図Bに示すような2種類があります。なお、これらの図は特開昭55-33031号(特公昭62-22471号)から引用しています。
画像
 図はいずれもシリコンのフォトダイオードで、受光する光の波長は0.8μm前後を対象としています。1μm以上の波長を対象とする化合物半導体のpinフォトダイオードの場合は少し構造がちがうこともありますが、基本的なところは同じです。

 図Aはメサ型と呼ばれるタイプです。図は接合の断面図ですが、側面が斜めに切り落とされた構造をしているのが特徴です。発光ダイオードなどでも同じような構造が使われています。電極の外側の半導体を切り落とすのは、外側に電流が広がって無駄になるのを防ぐのが目的です。発光素子では順方向に電圧をかけて大きな電流を流すので、無駄な電流を減らし発熱を抑えるのが目的ですが、受光素子の場合は逆バイアスをかけたとき、光が当たっていないのに電流が流れる(暗電流と言います)のを防ぐのが主な目的です。

 この例では基板11はp型のシリコンです。その上にπ(パイ)型のシリコン層12をエピタキシャル成長させています。π型というのはi型の別の言い方で不純物濃度の低い層のことです。以下ではi層と呼びます。

 このi層の表面からリンを拡散してn型層13を形成しています。これでpin構造ができます。i層の不純物濃度は1013cmー3であるのに対し、n層は1019cmー3であり、i層はn層に比べて6桁も不純物濃度が低いことになります。

 この半導体構造のn型層表面とp型基板の裏面に電極16、17を着けてダイオードとします。表面電極16は2箇所にあるように図では見えますが、これは環状になっている電極の断面を示していて、一つの電極です。フォトダイオードですから光が半導体に当たらなければならず、環状の電極にするのは光をできるだけ遮らないようにするためです。

 環状電極の穴の開いた部分には反射防止膜15を着けています。これはシリコンと空気の中間の屈折率をもった透明な誘電体層です。またメサ構造の側面にはSiO2膜(絶縁膜)14を着けています。接合側面が剥き出しになっているとその表面を伝わって電流が流れてしまうことがあり、それを防ぐのが目的です。

 図Bはプレーナ型と呼ばれるタイプです。多くの製品はこちらのタイプが使われていると思います。接合部分などほとんどの構造は図Aと同じです。メサ構造を作らないので、その代わりに不純物濃度の高いp層18を環状電極16の外側に設けています。n型層は電極の内側部分だけに作られていて、外側のi層表面にこのp層を作ります。このp層には電圧をかけるわけではありませんが、n層と逆の伝導型の層があるだけで、横方向に電流が流れるのを防ぎます。

 この特許で強調されているのはi層の厚みの値の選び方です。まず低い電圧でi層全体が空乏層になるように設計しています。実施例ではi層の厚みを25μmとしたとき、5Vという低い逆バイアス電圧でi層全体が空乏層になったとしています。

 こうすることで何がよいかというと、応答速度が速くなります。空乏層になっていない部分がi層にあると、その部分には電界がかからず、発生したキャリアは拡散によって移動するため、移動速度が遅くなるためと説明されています。

 またi層の厚みはある程度厚い必要があります。これは前々回にも説明していますが、i層内で光が十分に吸収されることによって、受光感度が高くなるからです。特許では受光する光の波長での吸収係数の逆数以上にする必要があるとしています。

 シリコンの波長830nmでの吸収係数は約750cm-1であるので、その逆数の13μm以上の厚みがあればよいことになり、25μmあれば十分ということになります。

 次回は上で少し触れた暗電流を減らす対策について紹介します。
 

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