石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 位置検出素子

<<   作成日時 : 2010/03/21 19:27   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 本題に入る前に前回の補足をします。前回のはじめの部分で、光伝導スイッチがかつては屋外灯のオンオフに使われていたけれども、現在はフォトダイオードかフォトトランジスタが多く使われていると書きました。

 このこと自体は間違っていないと思いますが、たまたま電子工作の専門誌「エレキジャック」(CQ出版社)の最新号(No.17)を見ていたところ、「暗くなると自動で光るナイト・ランプ」という記事が出ていて、なんと光検知にはフォトコンダクタが使われていました。記事にはCdS素子(CdSはU−Y族の硫化カドミウムのこと)と書かれ、写真も載っています。メーカ名、型番などは記されていないので、恐らく今でも容易に入手できる一般的な部品なのでしょう。このことを補足しておきます。
画像
 本題ですが、今回は位置検出素子です。英語では”Position Sencing Device”で略してPSDと呼ばれることもあります。物がどこにあるか、位置を検知しそれをもとに何らかの動作をする装置はいろいろな局面で使われています。位置検出素子はこのような装置に必要とされますが、原理はいろいろです。ここで言う素子はもちろん受光素子を使ったもので、光の当たっている位置を検知する素子です。

 ある区切られた面のどこに光が当たっているか知る方法としてすぐ思いつくのは受光素子を縦横にたくさん並べることです。このような素子を複数並べたもの(アレイ)を使えば、左から何番目、上から何番目の素子に光が当たっているかを調べればよいことになります。

 このような受光素子のアレイは画像を観測する素子として使われています。デジタルカメラの撮像素子として使われているCCDとかCMOSというのがこれです。原理については別のところで既に説明していますので、そちらを参照して下さい。現在では1000万画素などというものが当たり前になっていますが、これは縦横大体3000×3000もの素子を並べたものに相当しますから、非常に細かく位置が分かる素子です。

 ただこのような撮像素子は膨大な数の素子から測定結果を取り出して処理するために複雑な構造で、作るのも非常に大変です。またこれを動かす外部回路も複雑なものを用意しなければなりません。単にどこか1点に光が来ていることを知るだけのためには少しもったいない感じがします。

 実はもっと簡単な構造の素子があります。これはCCDなどが発明されるより前から原理的には知られていたもので、CCDをデジタル式とするならば、これはアナログ式と言えるものです。

 原理を図A(特開昭59-127883号より)によって説明します。素子は多数並べるのではなく1つのpinフォトダイオードです。図の(a)は素子の断面図ですが、光の当たる表面のp層3の両端に電極4、4’を付け、裏面のn層1には全面に電極5が付いています。

 (b)の平面図を見るとp層3は矩形で、小さな円で示したところ(電極4’からxの距離)に光が当たっています。普通のpinフォトダイオードでは受光面は1つの光ビームを受けられればいいのでもっと小さいのですが、位置検出素子はずっと大きな受光面をもっているところが異なります。

 ここで図のようにxの位置に光が当たったとすると、この場所にだけ電子−正孔対ができ、それは両端の電極に向かって流れます。この状態を電気回路で表したのが図Bです。光の当たっていないときの電極間の抵抗値Rsはかなり高い値です。光が当たっている点と電極の間の抵抗値は光の当たった位置xによって変わります。距離が近ければ抵抗値は小さく、距離が大きければ抵抗値は大きくなり、抵抗値は距離に比例します。
画像
 そこで図のように光が当たった位置が左側の電極に近ければ左側へ流れる電流が右側に比べて大きくなります。これは外につないだ抵抗Rの両端に発生する電圧VとVを測定すれば、Vの方がVより大きくなるので分かります。またその値から計算によって光が当たった位置xを求めることもできます。

 原理的には電流を正確に計れば計るほど、位置は正確に求められることになります。ただこれは半導体層がどこも完全に一様であることが前提で、抵抗値が場所によって少し違うようですと、電流をいくら正確に計っても位置の結果には誤差が入ってくることになりますから、正確さには限度があります。

 原理は1方向で説明しましたが、図C(特開昭59-50579号より)のように電極を4、4’に加えて5、5’も設け、縦横2方向に2組にすると、面内の位置を検出できます。
図のように点Aに光が当たったとき、そこから4つの電極との間の抵抗値を考えて位置を求めることになります。

 このような位置検出素子の応用例を1つだけ紹介しておきます。図Dは日産自動車出願の特開平8-82670号に示されている自動車用のレーダです。前方の障害物、例えば他の自動車を検知して衝突を避けるための装置というのは以前から提案されていますが、まだ実用にはなっていないようです。

 レーダは普通マイクロ波が使われますが、レーザ光を使ったレーザレーダというものもあります。この特許の装置では光を使っていますが、光源はレーザ光ではなく、LED2の発散する光を利用しています。この光が対象物(標的)3に当たって反射され、位置検出素子7に戻ってきます。その反射光の位置xを位置検出素子で検出すれば、物がどこにあるかが分かるわけです。この特許には位置検出にフォトダイオードアレイを使う例も示されていますが、位置検出素子の方が周辺回路が簡単になるという利点があることが示されています。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
位置検出素子 石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる