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zoom RSS 半導体の電気伝導

<<   作成日時 : 2010/05/02 20:14   >>

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半導体の電気伝導

 「半導体の理論と応用」の第1章は「半導体研究の始まり」と題されていて、そのまえがきに、この章はつぎのような「問いに、大まかな答えを用意」するための序説であると書かれています。

・いったい半導体と呼ばれる物質はどんな特長をもっているのか?
・どんな物質が半導体であるのか?
・その特長はどのように利用されて、今日までどんな製品が提供されているか?
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 1番目と2番目は似たような問いですが、この2つの問いに対する答は現在でもほとんど変わっていないでしょう。「ほとんど」と言ったのはその後新たに分かってきた半導体の特長もいくつかあると思うからですが、基本的なところはまったく変わっていないと言えると思います。

 これに対して、3番目の問いについての答えは1960年当時と50年後の今日では様変わりしていることは言うまでもありません。

 半導体の特長としてまず取り上げられているのが、電気伝導です。「半導体」でない物質は2通りあって、一つは「導体」、もう一つは「不導体」です。ただし「不導体」という語はあまり使わず、「絶縁体」という方が普通です。この分け方はまさに電気伝導の起こりやすさに依っています。

 「どんな物質が半導体であるのか?」という問いに対して、半導体とは導体と絶縁体の中間くらいの電気伝導が起きる物質であるという答えが出てきます。この答えは間違いではありませんが、中間くらいというのはかなりあいまいです。
 電気伝導の起こりやすさを数字で言うときには、電気伝導率という量が使われます。図Aのように断面積S、長さLの物質に電圧Vをかけたとき、電流Iが流れますが、このとき図中の(1)式のような関係が成り立ち、係数σ(シグマ)を電気伝導率と言います。逆に電気伝導の起こり難さを示す量もあり、それは電気伝導率の逆数の電気抵抗率ρ(ロー)という量が使われます((2)式)。
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 導体と半導体の電気伝導の大きさの違いは境目がはっきりしませんが、性質にははっきりした違いがあります。それは温度を変えたときどう変わるかという性質(温度依存性といいます)です。導体の代表、金属の電気抵抗率は温度が上がると図Bのように大きくなります。金属は温度が高いほど電気を通し難くなるということです。といっても変化は温度に対して直線的((3)式)で、高温になると絶縁体になってしまうというようなことはありません。

 しかし半導体は逆に温度が上がると電気抵抗率が小さくなり、電気を通しやすくなります。しかもその変化は急激で僅かな温度変化で電気抵抗は大きく変わります。この電気抵抗率ρと温度Tの関係は図Cのように縦軸にlogρ、横軸に1/Tをとってプロットすると直線になる場合が多いのです。

 これはどういうことを意味するかというと電気抵抗率ρがeA/Tに比例しているということで、この関係は自然現象にはよくあります。そのため温度に対して急に変わるような現象が見つかったときは、電気抵抗に限らず図Cのような目盛りでプロットして直線になるかどうか確かめることがよく行われます。本書では半導体の場合の電気抵抗について逆数の1/ρについて(4)式のような関係式が書かれています。

 以上のように電気伝導の温度依存性は導体と半導体で正反対ですから、これは区別するのにわかりやすい性質です。なぜそうなるのかは解明しなければならないテーマですが、それは後で取り上げられます。

 さてこのような半導体の電気抵抗率の温度依存性はいつごろからわかっていたかという疑問ですが、本書ではイギリスの化学者マイケル・ファラデーが1839年の著書のなかで指摘したのが最初だろうとしています。この著書の日本語の題名は本書には書かれていませんが、調べたところ岩波文庫から1948年に翻訳出版された「電気学実験研究」であることが分かりました。現在では古本でもなかなか手に入らないようです。




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