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zoom RSS 光電気現象の発見

<<   作成日時 : 2010/05/23 16:57   >>

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 半導体に特徴的な現象としては、前回の熱電気現象よりも光に絡む現象の方が、広くデバイスへの応用がなされています。本書(*)では「光伝導の現象」(1.1-d)と「光起電力の現象」(1.1-f)が取り上げられています。

 これらの光電気現象と応用デバイスについてはすでに別のところで取り上げていますので、繰り返しません。ただ本書にはそれらの発見の歴史について書かれていますので、備忘録的にそれらを抜き書きしておくことにします。

光伝導

 1873年にW. Smithがセレンについて光照射により電気抵抗が減少する事実を初めて観測したそうです。これはいわゆる内部光電効果ですが、外部光電効果はどうかというと、最初に現象に気付いたのは電磁波の発生実験を初めて行ったヘルツ(H. Hertz)で1887年のことです。

 ヘルツは火花放電によって電磁波が発生させる実験を行ったのですが、この火花放電が紫外線を照射すると起こりやすいことを発見しました。しかしこの時点ではまだ電子の存在自体が明らかにはなっていないので、光によって電子が発生しているということまでが明らかにされたわけではありません。

 金属表面から電子が飛び出していることを確認したのはLenardで1900年になってからのことです。これが5年後にアインシュタインの光量子仮説につながったということになります。

 こうした流れを見ると、科学者たちは他人の研究成果に注目し、それをベースに次のステップの研究を行っているのがよく分かります。

光起電力

 光起電力は半導体内に内部電界がないと起こりません。言い換えると半導体内に何らかの接合がなければならないので、その点が光伝導と異なります。

 実は本書では光伝導とこの光起電力の節の間に「整流現象の発見」という(1.1-e)節があって、半導体と金属の接触で起こる現象について書かれています。そしてこの半導体と金属の接触した構造に光を当てると光起電力が発生するという流れになっています。ここでは光関連現象を先に取り上げたかったので、入れ替えましたが、整流現象については次回に触れる予定です。

 この光起電力については1876年にW. G. AdamsとR. E. Dayによって初めて認められています。試料はセレンと金属を点接触させたものです。7年後の1883年には早くもC.E.Frittsが点接触型でない面接触型(今で言えばプレーナ型)を作っています。

 以上からだけでも19世紀後半には半導体のいろいろな現象が次々と実験的に見つかっていったことが分かります。今ではこれらの現象は当たり前のように思われていますが、これを統一的に説明するためには、この時点からまだかなり大きなステップが必要でした。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房

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