石くれと砂粒の世界

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zoom RSS 緩和時間

<<   作成日時 : 2010/07/04 18:42   >>

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 前回、固体中の電子の平均寿命という考え方を使い、この寿命の間だけ電子が加速されるとして多数の電子の平均速度を求めると、オームの法則
  (1)
が導出できることを示しました。ただし導電率は、
   (2)
と表せます。ここでn、、e、mはそれぞれ電子の濃度、平均寿命、電荷、質量です。

 今回はこのような経路を辿らずにニュートンの運動方程式から直接、オームの法則を導くことを考えます。少し飛躍したやり方ですが、(1)、(2)式が結果として得られるような運動方程式を考えると
   (3)
のような式が考えられます。

 本来の運動方程式
    (4)
は質量mの1個の粒子に力Fがはたらくと粒子は加速度で運動するということを表す式です。なお、加速度は速度vの時間微分で表されるので、
   (5)
と書けば、式をvで統一できます。

 (5)式は速度の替わりに平均速度を使っているので、そもそも平均速度について運動方程式が成り立つというのは仮定に過ぎません。

 右辺第2項は平均速度に比例した力が電界による力と反対向きにはたらくことを示しています。この形の運動方程式は摩擦がある場合の粒子の運動を表すのによく使われます。

 が変化しない定常状態では、ですから、そのときの速度は(5)式から
   (6)
となります。これは前回の(3)式と同じ形ですから、同じように(1)、(2)式のオームの法則が得られます。
画像

 このようなとなっている状態で電界Eが取り除かれた場合を考えると、
   (7)
に従って変化することがわかります((7)式を(5)式に代入する等式が成り立つのが分かります)。

 なお、(5)式のようなの微分が入った方程式のことをに関する微分方程式といい、これから(7)式のようにを微分が入らない形で求めることを微分方程式を解くと言います。

 (7)式をグラフにすると図のようになります。電界が取り除かれるとは次第に0に近づくことがわかります。また逆にの状態で、急に電界を加えた場合もvはゆっくりと増加してやがて(6)式に近づきます。

 この世界ではかけていた力やエネルギーが急に0なると、いろいろな物理定数は同じようにストンと0になるのではなく、ゆっくりと0に戻っていくことが多いのです。このゆっくり近づいていく現象を緩和現象と言います。

 いま(7)式でとするととなります。混同するといけませんが、このeは電子電荷ではなく、自然対数の底といわれる定数です。緩和の程度を表す量として、はじめの値が1/eにまで減る時間がよく使われ、これを緩和時間と呼びます。

 以上から電子の平均寿命として導入されたは平均速度の緩和時間になっていることがわかります。物理的には電子が原子との衝突を繰り返しながら運動しているような場合は、平均的な速度は電界が急に変化してもそれに応じて急に変化できない緩和現象になるということが示されています。

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