石くれと砂粒の世界

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zoom RSS アインシュタインの関係式(その2)

<<   作成日時 : 2010/07/26 21:32   >>

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 前回の最後に、「重要なのはの平均がに等しくなるということです」と書きました。そこで今回は少し脇道ですが、
   (7)
が成り立つことを示したいと思います。この導出について本書(*)は触れていません。

 古典電子論では、電子という粒子がニュートン力学に従って空間を運動すると考えます。一方で空間を運動する多数の分子をニュートン力学によって解析して気体の圧力などを求めるのが気体分子運動論という理論です。古典電子論の範囲では、この理論を電子の運動にも適用して、多数の電子の運動を解析します。

 まずニュートンの運動方程式は
  
ですから、力Fが時間の関数であれば、上式を時間についてt1からt2まで積分すると
  
となります。v1とv2は時刻t1とt2のときの粒子の速度です。このIを力積と呼びます。力Fがある時間はたらくと、運動量が変化することがわかります。

 上式は1個の粒子に関するものですが、壁に多数の分子がつぎつぎと衝突して力を及ぼしている場合にも、ある時間内に壁にはたらく力は1個1個の粒子による力積の総和で表現できます。このため単位面積当たりの力積の総和を求めれば、それが壁にはたらく圧力ということになります。
画像
 いま図Aのようにx軸に垂直な壁があって、これに粒子が衝突する場合を考えます。壁に入射する粒子の速度のx方向成分をとすると、弾性衝突であれば壁に衝突した粒子は同じ速度で反対方向に反射されるので、反射後の粒子の速度はとなります。

 いま図Bのような一辺がLの立方体のなかでの粒子の運動を考え、x方向の速度成分がである粒子の密度をであるとします。このとき単位面積当たりの力積は、
  
  
となります。速度で距離Lを移動するのにの時間がかかるとすると
  
と書き直せます。粒子は様々な方向に様々な速度で運動していますから、これをすべてのについて積分すれば全体の力積が得られます。
   (8)

 ここでの平均値は定義にしたがって
    (9)
と書けます。Nは立方体中の全粒子数です。ただし
 
としました。(9)式を(8)式に代入して
    (10)
となります。

 ところで粒子の速度vの2乗の平均値はx、y、z方向の速度の2乗の平均がとすると
   
ここでx、y、zの方向で特別なちがいはありませんから
   (11)
が成り立つはずです。

 1個の粒子の運動エネルギーの平均値Eiは
 
ですから、運動エネルギーについて書いてもm/2がつくだけで同じ関係が成り立ちます。それで(11)式の関係をエネルギー等分配の法則と呼んでいます。

 (11)式の関係を使えば(10)式は
   (12)
となります。

 (12)式の力積の総和は、の時間、壁に圧力がはたらいたことに相当しますから、
とおくと(12)式は
 
となり、書き直せば
   (13)
となります。

 立方体内の粒子の全運動エネルギーEは
 
ですから(13)式は
  (14)
となります。

 ところで気体の状態方程式は1モル当たり
   (15)
と書けることはご存じと思います。(14)、(15)式から
   (16)
粒子1個当たりのエネルギーは
  
となります。Nが1モル当たりの粒子数であれば、ボルツマン定数kは

で定義されますから、
 
が得られます。x方向だけの1次元の扱いならば、エネルギー等分配の法則により、
 
となり、(7)式が得られました。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房

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