石くれと砂粒の世界

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zoom RSS ホール効果

<<   作成日時 : 2010/08/08 16:33   >>

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 ホール(Hall)効果についてはこのブログでも何度か説明をしていますが、
  http://sunatsubu.at.webry.info/201005/article_2.html
本書(*)ではホール係数を古典電子論を使って表現しています。

 ホール効果は図のように試料にx方向に電流Jxが流れている状態で、z方向に磁界Hzをかけると、y方向に電界Eyが生じるという効果ですが、Eyは
   (1)
のようにJxとHzの積に比例するということがHallの実験により見いだされています。ここでRをホール係数と呼んでいます。

 電荷qをもつ1個(i番目)の荷電粒子に電界と磁界がはたらくときはたらく力Fiはローレンツ力と呼ばれ、つぎのように表されます。
 画像

 
  (2)
ここで太字はベクトルを表し、力Fi、電界、速度vi、磁界はその方向を含めて考えなければいけません。×はベクトルの「外積」を表し、内積と違ってこれはベクトルです。

 ベクトル×の大きさは、がなす角をとして
 
で、方向はが作る面に垂直です。ただしを右手人差指の方向、をそれと直角方向にした中指の方向とすると、×は親指の方向を正とすると決められています。

 このローレンツ力を運動方程式
 
に代入すると、多数の粒子の平均速度についての運動方程式は
   (3)
となります。

 ホール効果は定常状態での現象ですから、
 
とします。電流はx方向にだけ流れていますから、はx成分のみです。また上図の通り、磁界はz方向です。これらを考えて、上式をx、y方向成分に分解して書くと、
   (4)
   (5)
となります。磁界よる力は上記外積の定義から−y方向にはたらくことが分かります。(5)式を書き直すと
 
ですが、これに電流を表す式
   (6)
を使うと、 
 
となります。これを(1)式と比較すると、ホール係数Rは
   (7)
と書けることが分かります。

 (7)式の第1の特徴は
「Rの符号は荷電粒子の電荷qの符号によって変わること」
です。Rの符号を実験から知れば、荷電粒子の電荷の符号を知ることができます。別のところですでに説明したように、これによって半導体の伝導型を判定することができます。

 (7)式の第2の特徴は
「Rの大きさは荷電粒子の濃度nに逆比例すること」
です。電荷が電子とすれば、qの値は既知なので、キャリア濃度nを求めることができます。

 一方、(6)式に(4)式の関係を用いると、次式のようになります。
 
   (8)
つまりこれはオームの法則です。

(7)式からnが求められるので、(8)式から得られる導電率σを求めれば、移動度μが
 
より求められます。このようにホール効果の測定は半導体の基本的な特性を評価するために非常に重要です。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房

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