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zoom RSS ホール係数と数値例

<<   作成日時 : 2010/08/22 18:48   >>

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 前々回の(7)式からわかるようにホール係数Rはキャリア濃度によって決まってしまうので、材料には依りません。なお、この(7)式のqの単位はcgs静電単位で表示されています。もしqの単位をクーロン(C)とすると、光速cは不要になり、
   (1)
となります。電子電荷は−1.6×10-19Cですから、
   (2)
から、R(cm3/C)が測定されれば、電子の濃度nがcm-3の単位で求められます。

 本書(*)では1933年に測定された亜酸化銅(CuO)のデータが紹介されています。このような金属酸化物半導体は近年、透明導電膜などを除いてあまり使用されていませんが、金属を酸化すると簡単に半導体が得られるので、初期の研究にはよく使われていました。今本を書くとすればシリコンなどの例を使うことになると思います。

 さて本書にある数値例にしたがってRが−105cm3/Cとすると、電子の濃度は大体1014cm-3に相当します。室温のシリコンなどではかなり不純物の少ない真性半導体に近い場合に相当する値です。よく使われるn型半導体は3、4桁電子濃度が高いので、Rの絶対値は3、4桁小さくなり、数10から数100といった値になります。

 前回(1)式を参照して、試料の厚さdyを0.1cm(=1mm)とし、磁界がHz=1000OeでIx=10-3A(=1mA)の電流を流せば、ホール電圧Vy=0.01Vが観測されるはずで、このくらいの電圧なら簡単に測定できます。

 この1000Oeという磁界はどの程度のものかというと結構強い磁界で、机上に載る小さい電磁石では発生できません。透磁率の高い磁芯を使って数100回巻きのコイルに数Aの電流を流すような電磁石が必要です。

 Rと移動度の関係は前々回にも記していますが、単位を含めて書くと
   (3)
Rと導電率から移動度が求められます。また緩和時間
 
     (4)
より求められます。

 本書ではまだ少し古典電子論の話が続いていますが、ここではこれくらいにしたいと思います。次回からはいよいよ結晶内電子の話に移ります。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房






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