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zoom RSS 量子力学の勉強?

<<   作成日時 : 2010/08/29 20:11   >>

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 本書(*)の2.3節は「結晶内電子の状態」と題され、「導体と半導体の区別」という副題が付いています。前回までの古典電子論(2.2節)では、固体内の電子の運動を扱うのに、ニュートンの運動方程式を適用しています。固体内では電子の運動が原子との衝突によって妨げられると考えられるので、それを考慮するために緩和の項を入れるというやり方を取りました。

 これでオームの法則やホール効果などが説明できましたが、例えば、2.3節の副題にある導体と半導体の違いがなぜあるのかという問いへの解答はまったく得られません。物質(原子)の種類によって電気伝導特性が大きく異なる理由などは古典電子論ではまったく説明ができないのです。

 そこで登場したのが、バンド理論(日本語では帯理論)です。これまでもデバイスの説明のなかで伝導帯、価電子帯とかエネルギーバンドギャップという言葉を使ってきましたが、これらはこのバンド理論から導かれた概念です。結晶内の電子は許されたエネルギー帯にだけしか存在できないということがバンド理論によって示されるのです。またそのエネルギー帯の様子が原子の種類や並び方によって違うことも示されます。

 さらにこの理論を使えばデバイスの設計に必要な半導体中の電子の濃度などが計算できます。また光の吸収や発光もこの理論を使って予想され、計算もできるのです。

 本書の中心はこの理論にあると言え、この本をしっかり読んでバンド理論を少しでも理解できれば、半導体への理解が深まることになるはずです。

 しかしこのバンド理論は量子力学の基礎の上に構築された難しい理論です。本書は入門書ではなく、量子力学をかなり勉強した段階からスタートしているようです。現在高等学校では量子力学をまったく教えていません。そのため高校レベルでこの本を読んでも理解が難しいと思います。

 しかし「高校数学でわかるシュレディンガー方程式」(竹内淳著、講談社ブルーバックス)という本があることからも分かるように、高校の数学をベースにすれば量子力学の基礎を理解することは充分できると思われます。量子力学の基本が分かれば本書を頼りにバンド理論もかなり理解できるはずです。

 そこで2.3節に入る前に量子力学についてさわりだけ勉強しておくことにします。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房




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