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zoom RSS クローニッヒ・ペニーポテンシャル

<<   作成日時 : 2010/11/28 19:29   >>

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 前回、ポテンシャルエネルギーが周期的である場合の電子の波動関数の性質についてブロッホの定理を紹介しました。このブロッホの定理はポテンシャルエネルギーが周期的であれば、一般的に成り立つものです(だから定理なのですが)。

 今回はさらに一歩進めて、具体的に波動関数を計算します。ところで本書(*)はできるだけ一般的な条件のもとで話を進める方針で書かれていますので、ここでもいきなり読むとわかりにくいように思います。

 多くの固体物理の教科書ではより具体的なポテンシャルの形を仮定して話を進めています。図のように矩形のポテンシャルの山が一定周期で続く1次元のモデルが通常使われます。最初にこのモデルの計算を行った二人の名をとって、クローニッヒ・ペニーポテンシャルと呼ばれます。
画像
 このポテンシャルを言葉で書けば、幅bのV=V0の部分が周期dで繰り返し、他の部分はV=0になっているモデルです。そこでまずV=0とV=V0の場合に分けてシュレディンガー方程式の解を求めます。

 一般的に書けば、nを整数として
 
の範囲ではV=0ですから、シュレディンガー方程式は
   (1)
です。これまでのようにこの方程式の一般解は
   (2)
です。ここで
 
です。

また
 
 の範囲ではV=V0ですから、シュレディンガー方程式は
   (3)
となります。この方程式の一般解は
   (4)
です。ここで
 
です。

 一方、このポテンシャルは周期をもっているので、ブロッホの定理が成り立ちます。を周期関数とすれば、
   (5)
であることになりますが、はまたx=0とdでつながっている必要があります。
   (6)
さらに滑らかにつながっているためにはその1次の微分係数もx=0とdで等しい必要があります。
   (7)

 この条件は(5)式よりそれぞれ
   (8)
   (9)
となります。これが周期ポテンシャルがある場合に波動関数に要求される条件ですから、(2)、(4)式の2つの波動関数を上(8)、(9)式に入れると、
   (10)
   (11)
が得られます。さらにx=bにおいても同じ条件が必要ですから
   (12)
   (13)

が得られます。この4つの方程式の未知数を、 とすれば、4つの未知数になりますから(10)から(13)の4式からなる連立方程式は原理的には解けることになります。

 ちょっと先が長いので今回はここまでとします。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房

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