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<<   作成日時 : 2010/12/13 20:59   >>

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 前回の(6)式
   (1)
は、クローニッヒ・ペニーポテンシャルがある場合のシュレディンガー方程式の解そのものでなく、巡回境界条件のもとで波動関数が定まる条件を示す式です。ではありますが、ここから電子がもつエネルギーについて重要な知見が得られます。
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 (1)式の左辺の関数をyとし、を変数xと置いた
 
を前回すでに図示しましたが、これをもう一度示します(図A)。ただし、cは定数で、図ではc=1としました。

 さてもう一度(1)式をみると、右辺の関数は単純なコサイン関数です。コサインは+1と−1の間の値しかとりません。ところが図を見ると(1)式左辺はx=0付近で1を大きく越える値になっています。さらに図Aをよく見ると、x=0付近以外にもx=±π、±2π、・・・の付近で±1の範囲を僅かながら超えているところがあるのがわかります。

 詳しく見るためにx=π付近とx=2π付近を拡大して示したのが図Bです。x=πから狭い区間ですがyの値が−1よりも小さくなっている部分があります。図はc=1、2,3の3種類の場合も示していますが、cの値が大きいほど、yが−1より小さくなる区間は広がっています。x=2π付近でもyが1を越える区間があります。ただその幅はv=πのときよりも狭くなっています。

 このyの値が±1を越える区間では(1)式の等式が成り立たせることはできません。つまりこの区間となるような状態はありえないことになります。図Cは図Aと同じ図ですが、許されない区間を色を付けて示しました。

 図AやCが物理的に何を示しているかをもう少し考えてみます。もとに戻ると
 
でした。また
 
ですからエネルギーEはxの2乗に比例する変数であることがわかります。
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 一方、(1)式の右辺の値はkdの値によって決まります。するとその右辺の値に左辺の関数の値yが等しくなるようにx値を決めることができます。xが決まれば、kdを横軸、xの2乗の値を縦軸にとって(1)式の関係をグラフを描くことができます。これはkとEの関係を示すグラフです。

 ただし例えば図B(1)の例でyの値が−1となる2つの点では両方ともkd=πと考えます。図B(2)ではyの値が1になる2つの点でkd=2πとします。また図Cのx=0にもっとも近くてy=1となる正負2点でkd=0とします。他の不連続点も同様にします。それらの中間の点はyの値からkdの値をcos-1(y)を求めて逆算します。

 こうして計算したkdとEの関係を図D(1)に示します。全体的にはEがkdに対して2次関数の形になりますが、kd=±π、±2πでEが不連続になるのがわかります。これは、この不連続区間のエネルギーを電子がとることが許されていないことを示しています。図D(2)は(1)の一部を拡大したものです。エネルギーにΔE1、ΔE2というギャップが生じています。

 電子がとることができる連続的なエネルギーの範囲(図Dの曲線が描かれている範囲)を許容帯といい、ギャップになっているエネルギー範囲を禁制帯(または禁止帯)と言います。

 以上から周期的なポテンシャルエネルギーがある系では、電子のエネルギーは帯(バンド)のようにある幅は連続的にとりうることになり、そのバンドとバンドの間にとることのできないギャップができることがわかります。

 ただこれは数式の展開からコサインの値が±1の間しかとれないためにそうなったとしか言えず、物理的にどうしてそのようなことが起こるのかはもう少し詳しく検討する必要があります。

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