石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS pn接合を流れる電流(その1)

<<   作成日時 : 2011/08/27 22:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 前回、p型とn型の半導体を接合したとき、どのような電位分布ができるかを算出しました。この状態は正負の電荷が釣り合った平衡状態ですから、電流は流れていません。pn接合をデバイスとして応用するときには電流を流して使います。そこでつぎはpn接合に流れる電流の式を求めることになります。

 言うまでもなくpn接合に電流を流すためにはp型半導体とn型半導体の間に電源をつないで電位差を与えます。例えばn側にマイナス電位を与えると、n型半導体に電子が入ってきます。n型半導体ですから平衡状態でも電子がたくさんいますが、それよりさらに電子が過剰になるので、電子はp側へ入り込もうとします。

 しかし前回求めたようにpn接合部分にはこの電子を流れを堰き止めるような電位障壁があります。n側にマイナス電位を与えるということはこの障壁を低めることを意味します。ただし、この障壁がなくなってしまうような高い電圧をかけることを考えているわけではありません。

 ところで電子はフェルミ分布というエネルギー分布をもっていることを前に示しました。このため、電子のエネルギーは伝導帯の底の値だけをもっているわけではなく、図のように高いエネルギーをもったものもあります。このためpn接合の障壁より高いエネルギーをもっている電子はこの障壁を越えることができます。その数がどの程度かをまず求めます(図の電子数は実際の濃度比をまったく表していません)。
画像

 p側とn側の伝導帯の底のエネルギーをECp、ECn、印加電圧をVbとすると
 
の関係があります。n側の電子がこの障壁を越えるためにはECp以上のエネルギーをもつ必要があります。そのようなエネルギーをもつn側伝導帯の電子数nn
   (1)
と表されます。

 ここでfe(E)はフェルミ分布関数です。n側半導体のフェルミ分布関数は
 
と表されます。EFnはn側半導体のフェルミエネルギーです。これをボルツマン分布で近似すれば
   (2)
となります。

 De(E)は伝導帯の状態密度で、n側半導体においては
   (3)

 (2)、(3)式を(1)式に入れて積分を具体的に書くと、
 
となります。この積分は計算が難しいですが、ECnをECpに置き換えられれば、
 
となり、この形なら積分公式
 
が使えます。ECnをECpに置き換えてもエネルギーが大きければ誤差は小さくなると考えられます。積分結果は
   (4)
となります。ただし
 
です。p側の電子濃度npも同様にして
   (5)
と表されます。(4)、(5)式から
 
が得られます。
 
の関係がありますから
 
という関係が得られ、電圧Vbによってn側の電子濃度は指数関数的に増えることがわかります。

 p側の正孔濃度ppも同様にして
 
と表されます。

 nnとnp(またはppとpn)の比、すなわちexp(eVb/kBT)の値がどのくらいか見積もっておきます。まず、kBTですが、kB=8.6×10-5eV/Kですから室温(T=300K)ではkBTは約0.026eVとなります。Vbは1V程度ですからeVbは1eV程度であり、eVb/kBTはおよそ40くらいの値になります。ということはe40は非常に大きな値であり、図のイメージとはまったく違ってn側とp側の電子濃度(または正孔濃度)の比は非常に大きく、またVbの増加に伴ってその比は急増することになります。

 このキャリア濃度の差に基づく電流の式についてはつぎに回します。




goot 電子工作用はんだこてセット X-2000E
太洋電機産業

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by goot 電子工作用はんだこてセット X-2000E の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

goot 電子工作用はんだこてセット X-1100
太洋電機産業

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by goot 電子工作用はんだこてセット X-1100 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

エンジニア 充電流コテのすけSKB-01
エンジニア

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by エンジニア 充電流コテのすけSKB-01 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
pn接合を流れる電流(その1)  石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる