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zoom RSS ショットキー障壁

<<   作成日時 : 2012/01/23 00:08   >>

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 金属−半導体接触によってできる障壁はスイス出身(主な研究活動はドイツ)の物理学者ショットキーの業績に因んでショットキー障壁(バリア)と呼ばれています。このショットキーによる理論は「半導体の理論と応用」にも紹介されていますが、以下に説明します。

 まずはエネルギー障壁の形、電位分布ψ(x)を求めます。これはpn接合の場合とほとんど同じ考え方です。図Aのように半導体中に一様な濃度の不純物準位(以下ではn型半導体中に一定濃度NDのドナー)があるとします。これに図Bのように電圧Vをかけた場合を考えます。
画像

 ドナーから励起された電子は障壁内の電界によって移動してしまうので、障壁内部はプラスに帯電したドナーが残ることになります。この一様に存在する正電荷によって障壁部分の電位変化が生じます。この電位変化を決めるのはpn接合と同様にポアソン方程式です。
   (1)
この方程式は右辺がxに依存しないのでψはxの2次関数になります。図Bのように境界条件は金属と半導体の界面をx=0とすると
 
もう一つの条件は障壁(空乏層)の幅をDとすると、x=Dでは図Bのように電位の傾きはなくなるので、
 
という条件が出てきます。以上の条件で(1)式を解くと
   (2)
となります。障壁の幅Dも
   (3)
と表されます。これより障壁の幅は印加電圧の平方根に比例して変化することがわかります。

 厚さd、比誘電率εの絶縁層を挟んで構成されるキャパシタの静電容量Cは
 
で定義されるので、dをDで置き換えると、この障壁の静電容量は
 
と書けます。これよりCは
 
の関係で電圧に依存することになります。すなわち図Cに示すように横軸にV、縦軸に1/C2をとってグラフを描くと直線関係が得られます。この直線の傾きαは
 
と書けるので、誘電率εがわかっていれば、この傾きから不純物濃度NDを求めることができます。ただし不純物濃度が一定でないと、直線関係が得られませんから、不純物濃度が一定であるという前提が妥当であるかどうかについても知見が得られます。
画像

 さて、整流現象の解析に移ります。pn接合の場合と同様に電子電流が電子のドリフトと拡散によっていると考えたのもショットキーです。電子電流Jn
 
と表されます。ここでn(x)は電子の濃度、μは電子の移動度、E(x)は電界、Dnは電子の拡散定数です。上式を電位ψを使って書き直すと
 
となります。ただしアインシュタインの関係を使ってμをDNで表しました。

 Jnは定常電流とすると、もちろんxの関数ではありません。一方、障壁内の電位ψはxに依存しています。この場合、この式を積分するにはちょっとテクニックを使います。両辺にexp[-qψ(x)/kT]をかけてから積分します。すると右辺の第1項はうまいことに消えてくれますので、
 
が得られます。この積分を行うのに電位ψ(x)と電子濃度n(x)のx=0とx=Dにおける値を境界条件とします。
 
 
 
 
これより
 
   
が得られます。ここでショットキー障壁の電位分布(2)式を代入して積分を実行し、(3)式の関係を用いると
 
   
が得られます。ここでVが正の場合が順バイアス、負の場合が逆バイアスに相当します。

 ここで
 
の場合を考えれば、上式で逆バイアスの場合、順バイアスでもVが小さい場合は次のような近似ができます。
 
   
上式の上段をJ0と置けば、
 
が得られます。この電流の電圧依存性はpn接合の場合と同じですから、図Dに示すように、順バイアスでは電流が急増しますが、逆バイアスは一定に近づきます。言い換えれば整流特性が得られることがわかります。
画像

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