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zoom RSS 発光ダイオードの発明

<<   作成日時 : 2012/05/27 20:44   >>

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 LEDをいつ、誰が発明したかを明言するのはなかなか難しいようです。これは以下のように「・・・という意味では」という但し書きが必要で無条件に特定するのは難しいという意味です。そういうこともあって手元にある教科書のような類の文献にはほとんど発明の経緯は書かれていません。ネット上を探してみると、英語版のWikipediaに参考になる記述がありました(http://en.wikipedia.org/wiki/LED)。そこでこれを頼りにLEDの発明を跡づけてみます。

 LEDのもとになる現象は固体に電流を流して発光させることですが、この現象「エレクトロルミネッセンス」を最初に発見したのはイギリスのマルコーニ研究所のラウンド(H.J.Round)という人だそうです。この発見は1907年のこととされています。

 デバイスとしてのLEDはロシアのロセフ(O.V. Losev)という研究者が1927年に初めて作製したそうです。シリコンカーバイド(SiC)に金属を点接触させて電流を流し、発光を認めたことが報告されているそうです。この研究は孤立して行われたため、以後継承されることもなく忘れられてしまったということです。時間的な早さでは確かにこれが最初ですが、後の開発にはまったく影響を与えていないようです。

 LEDがいくらか実用に近づいたのはやはりトランジスタが発明され、半導体結晶の質が向上してきた1950年代以降のことです。アメリカのRadio Company of America (RCA)のブラウンシュタイン(R.Braunstein)は1955年にGaAsなどのダイオードを用いた赤外発光素子の報告をしています。この内容は特許(US2977477、1958年出願)も出願されていています。

 またTexas Instrument(TI)社からも1961年にGaAsの赤外発光ダイオードが報告されています。これに関する特許(US3293513、1962年出願)があります。これとは内容の異なる日本特許(特公昭44-7676号、1964年米国出願)もあります。

 上記のようなアメリカでの赤外線LED開発関連の特許を調べている過程で、1951年という非常に早い時期にベル研究所から赤外発光ダイオードの特許が出願されていることに気付きました(US2683794)。ショックレーも発明者に名を連ねています。アメリカでの一連の赤外発光ダイオードの流れもベル研に発しているのかも知れません。

 可視光を発するLEDは1962年にGeneral Electric(GE)社のホロニャック(N. Holonyak, Jr)によって初めて開発されました。これはGaAsPを使った赤色LEDで、トランジスタの発展などと同様に半導体の結晶の良質化をベースにしたものです。1年前の1961年に出願された米国特許US3249473にはp型、n型のGaAsPなどV−V族半導体の結晶を気相で成長する方法が書かれています。この手法をベースにLEDが試作されました。

 GEと言えば半導体レーザの発振を最初に確認したことが知られています。これはGaAsによるもので、同じ1962年のことです。ホールという人が行ったのですが、これを聞いたホロニャックは直ちにGaAsPで可視光のレーザ発振を実現しました。これは混晶での最初のレーザの製作でもありました。

 結晶の質の向上をベースにデバイス開発が現在のLEDに連なっているという意味で、ホロニャックをLEDの発明者と書いている本があるのも間違いではないと思います。ホロニャックはその後移ったイリノイ大学の教授としての業績でもよく知られ、門下生から企業などでLEDの開発に携わった人が多く輩出しています。
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 その一人のクラフォード(M.G.Craford)はモンサント社でGaAsPの発光ダイオードの開発を行っています。特開昭48-19187はアメリカでの出願が1971年ですから、最初のGaAs
P発光ダイオードから10年を経ています。この時点では格子整合の問題が強く意識され、図AのようにGaP基板1の上にGaAsPの組成傾斜層2を設ける工夫がなされています。このダイオードはホモ接合型(4a、4bで示す層)ですが、AsとPの割合を変えることにより、赤から黄色までの発光を得ることができることが記されています。

 発光素子へのヘテロ接合の応用については半導体レーザに関して詳しく書いていますが(http://denkou.cdx.jp/Opt/LD01/LDF1_20.html)、考え方自体は1960年代前半にクレーマー(H.Kroemer)によって提案され、ノーベル賞の受賞に至っています。ただし実際に発光素子へこれを使うことができるようになったのは、組成や不純物の違う結晶層を積層する技術の確立を待つ必要がありました。
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 これが液相成長法の開発で、これはベル研究所で行われました。材料はGaAs/AlGaAsでした。これはダブルヘテロ構造半導体レーザの室温連続発振の実現につながった(http://denkou.cdx.jp/Opt/LD01/LDF1_25.html)のですが、ダブルヘテロ構造のLEDについても同時期に作製されたと考えてよいと思います。これを示す特許は林厳雄氏による特開昭46-6064で、もともと半導体レーザに関するものですが、明細書の最後の部分に発光ダイオード(図B)についてもヘテロ接合が適用可能と記されています。

 以上が発光ダイオードの黎明期の発展の概要です。




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