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zoom RSS 電極と窓層

<<   作成日時 : 2012/06/24 19:29   >>

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 前回、電極を反射層として使う例を取り上げましたが、このような反射性の電極は光を通さないということでもあります。これがLEDもとっては問題になります。電極によって素子から出ようとする光の一部が遮られることになってしまうからです。
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 具合の悪いことに電極の真下の電極から近い部分の発光層からもっとも光が出るので、その部分の光が遮られやすくなってしまいます。これを解決するためには光の出射方向にある電極はできるだけ小さくし、かつ電極の真下でない部分を光らせるというかなり無理な要求を両立させるという要求を満たさなければなりません。

ここで考え出されたのが例えば特開平05-275740(特許3639608)に記されているような「窓層」を設けるという手段です。図A(特開平06-342936より)のように上部電極16直下の層31(これを窓層あるいは電流拡散層と呼びます)を厚く抵抗の低い層にします。もちろん光を透過するために窓層にはバンドギャップの大きい半導体を選びます。この下に発光層部18を置くと、電極から注入された電流は窓層の抵抗が低いので図の破線19のように電極直下だけでなく横方向に広がって流れます。このため電極直下でない部分の発光層からも発光が起こり、この光は電極に遮られずに出射されます。
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このような場合でも電極直下での発光は起きています。それは無駄なので、電極直下の発光層には電流が流れ込まないようにする工夫もあります。図B(特開平06-29570より)のように上部電極7の真下にこの電極と同じ面積の電流ブロック層2を設けています。ここではpn接合を利用して電流をブロックしていますが、抵抗の高い層を挿入する場合もあります。この層の上の窓層(ここでは電流拡散層と呼んでいます)3で広がった電流は矢印で示されているようにpn接合(発光層)1の広い部分に流れ込み発光を生じますが、電極の真下の部分には流れ難くなります。このように電流が阻止された部分の発光層は発光しません。これによって発光は無駄なく上部へ取り出せることになります。

上記のような窓層はかなり抵抗が低くないと電流が十分広がらず、効果が発揮されません。GaN系のp形層などは抵抗を下げにくく窓層はあまり効果がないようです。そのような場合には、より直接的な対策として電極を光を透過する材料で構成する方法があります。金などの金属は厚みが薄ければかなり透過性があるので、これを使うことができます。さらには酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫(SnO2)など透明導電膜を使うこともできます。

 しかしこのような透明導電膜にもいろいろな問題があり、無条件に使えるわけではありません。次回、そのような点に触れたいと思います。

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