石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 表面凹凸

<<   作成日時 : 2012/07/15 21:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 LEDの発光層で発光した光が電極などで遮られるのを防ぐ手立てをいろいろ紹介しましたが、遮るものがない部分から光が素子の外へ出るときにも問題があります。

 LEDの光は半導体層で発生し、普通は人間の眼がある空気中に出ます。その間に光は素子を保護するための樹脂層などを通過する場合も多いですが、最後は水中で使うなど特殊な場合を除いて空気中に出ます。

 空気の屈折率は1ですが、半導体の屈折率は3前後とかなり大きい値です。透明樹脂の屈折率はこの中間でやや空気に近い1.5前後の値です。このためLEDでは屈折率の大きい半導体媒体からそれよりかなり屈折率の小さい媒体へ光を出していることになります。

このような場合、その界面への入射角が大きい、つまり界面に近い斜め方向から光が入射すると、全反射が起こって光は屈折率の小さい媒体側へは出られません。LEDの発光層から広い角度で出射しますから、そのかなりの部分が外へ出られないことになります。
画像

 出射光をできるだけ増やすために、全反射をできるだけ減らして、発生した光をできるだけ外へ出そうという試みはいろいろなされています。すぐに思い付くのは出射面を凹凸にすることでしょう。図A(特開平10-4209より)のように半導体の表面を荒らして粗面にすると、表面で全反射して外へ出られなかった光は様々な方向に反射されます。表面で反射された光はいろいろな方向に向きを変えるので、いずれは外に出られるようになると考えられます。

この方法が有効なのは素子内で反射された光の強度が減衰しない場合です。しかし普通の半導体層内では多かれ少なかれ光は吸収されて強度が低下してしまいます。長い光路を経た後、ようやく外に出たときは強度が弱くなっているので、最初の目的を果たせないことになってしまいます。このように光を光線と考えるのでは問題は解決できません。
画像
 全反射を減らす手段としては界面の屈折率変化を急激でなく緩やかに変えることが考えられます。しかし屈折率が連続的に徐々に変わる層を成膜するのはあまり容易くありません。その替わりに階段状に屈折率を変えてもいいのですが、これも多層の膜を成膜する必要があり、手間がかかります。

 ここでまた表面に凹凸を作る方法が再登場します。光の波長に比べて大きい凹凸があると光は光線とみなせ、図Aで説明したように表面の角度によって全反射の方向が決まります。しかし凹凸が波長より小さいと光は凹凸面があるのを感じず、平均的な屈折率の層があると感じます。

すると先の尖った円錐のような形の凹凸を表面に作ると、円錐の底面に近い部分では平均の屈折率は表面の層の屈折率に近く、上の円錐の頂上に近い部分では平均の屈折率は空気(周囲物質)の屈折率に近づきます。この界面付近では平均の屈折率が表面から離れるにしたがって徐々に小さくなる層ができたことになります。

この具体例が特開2003-174191に示されています(図B参照)。半導体層の表面に直接凹凸を形成した例も書かれていますが、図の場合は半導体のコンタクト層116の表面に樹脂にTiOの粉末を混ぜて屈折率を2に調整した半導体(屈折率:3.5)と空気の中間の屈折率をもつ層(反射防止層と呼ばれています)117を準備し、そこに凹凸を作っています。この凹凸は樹脂に型押しをする簡単な方法で作れますから、簡単です。

 この例はInAlGaP系の緑色LEDですが、凹凸の高さによって光の取り出し効率が変わり、凹凸の高さが発光波長より小さい200nmから500nmの範囲で、効率は凹凸がない場合約2倍に達したと書かれています。凹凸の周期についてはあまり詳しく書かれていませんが、発光波長の1/2以下とするとなっています。

 さらに、図C(特開2000-196141)のように、凹凸は素子の主表面6だけでなく、両側面8a、8bにも設けることができ、こうすれば半導体から空気へかなりの光を取り出せることになります。

 以上でLEDの素子からできるだけ多くの光を取り出す方法については終わりです。つぎは発光波長つまり発光色の話に移ります。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
表面凹凸  石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる