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zoom RSS 発光波長

<<   作成日時 : 2012/07/23 07:44   >>

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 今回からLEDの発光波長の話に移ります。LEDの発光は可視光全域とその両外側の赤外、紫外域にわたり、今や発光できない波長域はほとんどなくなりました。実用的に使われる発光層の半導体材料もほぼ固まってきました。

図は発光層の材料がカバーするLEDの発光色の範囲の概要を示しています。横軸には光のエネルギー(単位:電子ボルト)とそれに対応する波長(単位:μm)、さらにそれに対応する光の色の概略が示されています。特開平06-37355から採ったものですが、ややデータが古くなっているように感じますので、その点を少し補足します。
画像

 波長の長い赤外域では、波長1μmより長い範囲に使われるのはInGaAsPの四元混晶系で、InP基板上に作られるものにほぼ限られています。四元系の組成は基本的にInPに格子整合するように決められます。またこの四元系は組成を調整すればGaAs基板に格子整合させることもできますが、その場合はより短波長の発光となり、あまり存在意義がありません。

 波長が1μmより短い赤外域から赤色の発光にはAlGaAs系が使われます。これはGaAs基板に格子整合した系です。GaAs自身の発光は870nm程度で、Al組成を増やすと発光は短波長になりますが、AlAsに近づくにつれ、発光効率が低下します。大体700nmの赤色くらいまでが限度です。なお、中心波長が780nmであっても発光スペクトルは広がっていますので、赤色が視認できるのが普通です。

 650nm前後の赤色をより効率的に発光できるのはAlGaInPの四元系です。通常はGaAs基板に格子整合する組成で使われます。図では赤外域にまで線が延びていますが、この領域で使われることはあまりないと思われます。むしろ短波長の燈色(600nm前後)や黄色(580nm前後)に使われます。理論的には緑色発光も可能ですが、実際には問題が多く使われていないと思われます。

 図にGaPと書かれた線がありますが、これはGaAsPの三元系の誤りと思われます。以前に紹介しましたが、可視光LEDとして初めて使われた材料です。GaP基板かGaAs基板が用いられますが、基本的に格子整合しない状態となります。発光色は赤色から黄色で、上記のAlGaInP系と重なります。GaPは黄緑色(565nm)の発光が可能で、1990年代にGaN系が開発されるまでは実用上もっとも短波長の発光を担っていました。

 図のGaN系の線は470nm前後の青色の範囲のみに描かれていますが、近年この範囲はかなり広がっています。InGaN系は青から緑にかけての長波長側の発光が可能です。InNのバンドギャップは赤色に相当しますが、実際に発光が可能なのは540nm程度の緑色までで黄緑色は難しいのが現状です。一方、400nmより短い紫から紫外域にかけてはGaNそのものあるいはAlGaNにより発光が可能です。

GaN系はGaNのバルク結晶ができないことからサファイアなどの格子整合しない材料としても異質な基板が使われてきました。最近は厚くエピタキシャル成長したGaNを基板として使うこともなされるようになってきましたが、その場合でもInやAlが含まれると格子整合しないので、いろいろ制約があります。

 以下ではまず各色の実用的なLEDがそれぞれ固まってきた理由について考えます。発光波長は半導体発光層のバンドギャップエネルギーによって基本的には決まります。ということは候補となる材料はいろいろあることになりますが、そのなかから実用的な材料が選ばれてきたのにはそれなりの理由があります。それを考えてみることはLEDを理解するうえで重要と思われます。

 LEDは近年、消費電力が少なく寿命が長い照明光源として白色電球を置き換えつつあります。LEDの一つの発光層からの発光は上記のように基本的に単波長に近い狭い波長範囲のスペクトルをもっています。照明光源としての白色光を直接発光することはできません。

 3つのLEDを使えば光の三原色を用意することができますから、これを混色して白色光を得ることができます。またLEDを3個も使わず、1個だけで白色を得る方法もあります。これは蛍光物質を使って波長を変換する方法です。

 このような照明用の白色光源についても調べたいと思います。光の色を考えるには色彩を数量的に取り扱う色彩学の知識が必要ですが、この分野は半導体デバイスの側からはやや馴染みが薄いので、この機会に勉強したいと思います。




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