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zoom RSS 材料選択範囲の拡大手段(その2)

<<   作成日時 : 2012/09/09 20:26   >>

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 前回は基板と格子定数が違う材料は発光層として使えないという障害を克服する方法を紹介しました。今回はもう一つの障害となっている間接遷移型の半導体を利用できるようにする方法を紹介します。

 現実にGaPは間接遷移型の半導体ですが、これを発光層とする黄緑色の光を発する発光ダイオードは実用化されています。これはどうしてなのでしょうか。

 間接遷移型半導体であるGaPに窒素(N)などを添加すると発光強度が強まることは1960年代から知られていました。例えば1966年に米国で最初に出願された特公昭46-1970にはそのことが記載されています。この段階では添加された窒素がどのように作用するか、まだ明確になっていないようです。


 1970年代になるとかなりそのメカニズムが明確なってきます。例えば1971年出願の特開昭47-24785には窒素が伝導帯のすぐ下に準位をつくることが記載され、これを介して発光が生じることが述べられています。

 すでに上記の特公昭46-1970ではこのNの導入によってできる準位をアイソエレクトロニック・トラップ(Isoelectronic trap、日本語では等電子トラップ)と呼んでいます。不純物として導入されるNはV族ですから、V−V族化合物ではドナーにもアクセプタにもなりません。つまりキャリアの生成には関与しません。これが「等電子」と言われる理由です。トラップというのは罠という意味ですが、日本語では捕獲中心といって電子や正孔を捕らえる準位を意味します。

 より具体的にGaPの例で説明します。より明確な図を示します。前に説明したようにGaPは間接遷移型で、バンド構造は大雑把に描けば図のようになっています。Γ位置でのバンドギャップエネルギーは2.88eVですが、X位置ではこれより小さい2.25eVとなっています。これは波長にすると551nmで緑色に相当しますが、伝導帯Xの底は価電子帯の頂上と運動量kが違うので、ほとんど発光は生じません。
画像

 導入されたNは図のような位置に伝導帯Γの下0.69eVのところに準位(等電子トラップ)を作ります。このため伝導帯Γにいる電子はこのトラップに捕らえられやすくなります。

 捕らえられた電子は価電子帯の頂上からのエネルギー差(2.19eV)が伝導帯Xの底との差(2.25eV)より僅かながら小さいため、価電子帯の正孔と再結合しやすく、この再結合によって発光が生じます。発光波長は2,19eVに相当する565nmで、これは黄緑色に相当します。GaPで実用的な強度の発光を得られるのはこの場合です。

 しかしこのような適当な不純物がどの間接遷移型半導体にも見つかるとは限らず、実用的に使われているのはこのGaPとGaAsPの黄色から橙色の発光に限られると思われます。





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