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zoom RSS 蛍光体を利用した白色発光ダイオードの色度調整

<<   作成日時 : 2013/03/31 20:00   >>

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 発光ダイオードの発光色と補色関係にある蛍光を発する蛍光体を組み合わせると白色発光が得られるのは前回説明した通りです。色彩理論によれば、色度図上に2点の色を混色すると、その2点を結ぶ直線上の色度座標の色が実現できます。ただし混色後の光の色度座標を定めるには2つの光の強度比を調整することによって調整する必要があります。

 今回は発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた系で、この強度比の調整をどう実現するかについて具体例を紹介します。
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 まず考えられるのは発光ダイオードの発光強度を変えることです。これは発光ダイオードに流す電流を変えることによって実現できます。図Aは青色発光ダイオードと黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光ダイオードでダイオードの駆動電流を変えたときの色度座標の変化を示しています(特開2002-324685より)。図には光源と蛍光体の色度座標が示されていませんが、発光ダイオードに流す電流を変えるのが色度調整の一つの手段であることがわかります。

 蛍光体側を変える方法もあります。蛍光体の濃度を大きくすると、光源の光が波長変換される割合が大きくなり、光源の光がそのまま透過する割合が減りますから、両者の混合光の色度が変わります。前回取り上げた再表WO98/05078には図Bのようなデータが掲載されています。
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 左下の楕円状部分が青色発光ダイオードの色度座標に対応し、右上が蛍光体(黄色)の色度座標です。番号は蛍光色の違う蛍光体をしめしています。蛍光体を樹脂に含有させる含有量を30〜70%の範囲で変えると光源と蛍光体の色度座標を結ぶ直線状を混合光の座標が動くのが示されています。

 なお、図Bの色度図はCIEの1960年版を採用しています。以前の色度図の紹介では1931年版と1976年版を取り上げ、1960年版は省略してしまいましたが、これがu-v座標と呼ばれるものです。

 この蛍光体の濃度を変える方法は光源側の調整をする必要がない点でよいのですが、蛍光体の濃度は製造時に決まってしまうので、細かい調整が効かないという難点があります。

 そこで製造後に調整する方法も提案されています。図Cは特開2002-344029に示されている方法の一例です。
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 LED素子3をまず透光性樹脂5で封止した後、その上に平均粒径2.5μmの蛍光体粒子を透明樹脂中に40重量%含む樹脂Rを流し,込みます(a)。これを硬化させて蛍光層6を形成します。厚みは300μmです(b)。そして色度調整のためにこの蛍光層にレーザ光を照射して削るという方法がとられます(c)。

 図Dは調整結果を示す色度図(これは1931年版)です。点1は蛍光層を削る前の状態で、蛍光層が十分厚く光源の青色光はほとんど透過しないので、発光色は波長580nmのほぼ純色となっています。図Eは各点に対応するスペクトルを示しています。点1に対応するスペクトル(曲線1)では460nmの光源光の成分がほぼゼロであることがわかります、570nm付近にピークのあるやや広がったスペクトルが蛍光体の発光スペクトルを示しています。点2は蛍光層を100μm削った後の座標で、この段階では蛍光層が厚く、出射光はまだ黄色を示しています。点3はさらに100μm削った結果で、かなり白みがかかってきます。点4はさらに50μm削った後で、等エネルギー点Wにほぼ一致した白色になっているのがわかります。
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 点4に対応するスペクトル(曲線4)は光源と蛍光体の2つのピークに分かれています。決して等エネルギー分布ではないのですが、これでも人間の眼には白色に見えるということです。




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