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zoom RSS 蛍光体を利用した白色発光ダイオードの色度調整(続き)

<<   作成日時 : 2013/04/07 19:54   >>

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 発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた白色発光ダイオードの話を続けます。白色発光ダイオードは照明用光源として急速に使われるようになってきましたが、生活空間を照らす一般の照明光としては、人間にとって心地よいかどうかがまずは問われます。空気のようにその存在を意識させないような光がよいのかも知れません。

 人がもっとも心地よく感じる光は黒体放射光と言われます。厳密にそうでなくてもそれに近い光を人は自然に感じます。これは地球上の生物は太陽光の環境のなかで長く生きてきたからなのでしょう。そこで白色発光ダイオードの発光色もただ白色に発光すればよいよいのではなく、できるだけ黒体放射光に近い発光色を出すことが求められます。

 日本工業規格にはJIS Z 9112 「蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分」という規格が定められています。この中でLEDの光源色は昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色の5種類に分類されています。
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 これらの色は色度図上で黒体放射軌跡に沿って規定され、図A(特開2006-261512より)のように昼光色から電球色まで順に色温度が下がり赤みが増します。それらの色度はx,y色度座標で与えられていますが、1点の座標ではなく、図示されているようにそれぞれ小さな四角形の範囲内で規定(4点の色度座標を規定)しています。

 これらの色を蛍光体を使って実現する方法は前回説明した通りですが、補色関係の青色発光ダイオードと黄色蛍光体の組み合わせでは赤色成分がないため、電球色に近い色調を出すのは困難です。もちろん蛍光体の発光色を変えればいいわけですが、新しい蛍光体材料を作らなければならず、必ずしも容易ではありません。

 そこで黄色の蛍光体にさらに既存の赤色蛍光体を加えて発光色を調整する方法が知られています。図B(再表2005/090517より)は色度図上でその原理を示したもので、座標17の発光色を持つ青色発光ダイオード(中心波長450nm)と、座標18の黄色蛍光体(主波長581nm)と座標19の赤色蛍光体(主波長612nm)とを混合して組み合わせれば、領域20の範囲の発光色が得られます。2種の蛍光体の濃度比を調整することにより黒体放射軌跡16上の電球色が得られます。
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 演色性で言うと平均演色評価数Raは黄色蛍光体単一の場合55であったものが2種の蛍光体を混合した場合65に改善したとしています。上記JIS Z 91112では推奨されるRaは普通形では60以上、高演色形では80以上としていますから、普通形レベルには達していることがわかります。

 さらに高い演色性を実現するための手段として再表2006/077740では3種類の蛍光体を混合する方法をとっています。これにより最高で90を超えるRaを得ています。

 なお、複数の蛍光体を用いる場合、混合する以外に、各蛍光体を別々の層として積層したり、部分的に分けて配置することもできます(例えば特開2005-244226)。




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