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zoom RSS 多色LEDによる混色

<<   作成日時 : 2013/05/27 21:42   >>

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 白色やその他望みの色の光を得るための手段として蛍光体によるLED光の波長変換を利用する方法を紹介してきましたが、むしろ普通に考えると赤緑青(RGB)の三原色など複数の発光色のLEDを用意してその光を混ぜる方法の方を先に思い付くのではないかと思います。

 複数のLEDを使う具体的な方法について以前に触れていますが、
(1)パッケージに入ったRGB3色のLEDを3つ近づけて基板などに実装する方法
(2)RGBの3種類のLEDチップを1つのパッケージ内に実装する方法、
(3)1チップにRGBの3色を発光する発光層を集積する方法があります。

 3色のLEDを使う方法の特徴は各色のLEDを独立にコントロールできることです。駆動用の電気回路が複雑になるという難点がありますが、混色を細かく調整できるという長所があります。この長所は照明用の白色光を出すためより、むしろフルカラーのLED表示装置(LEDディスプレイ)への応用に有利といえます。

 2次元のLED表示装置は表示面にLED素子を図Aのように碁盤の目に並べたものです(特開平8-272316に示された例)。ただし上記(3)の方法を別にすると、1つの画素(ピクセル)にはRGBの少なくとも3つのLEDが近接して配置され、その混色によって必要な色を出すことになります。
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 この特許の場合は拡大図のように緑をG1とG2のように2色使い、1画素を4つのLEDで構成しています。この4つのLEDの発光波長を図Bの色度図に示すように
 R:650nm、B:450nm、G1:560nm、G2:515nm
と選ぶと、NTSCと書いてある三角形のなかの色を作ることができることがわかります。
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 ディスプレイの世界では長く陰極線管(CRT、いわゆるブラウン管)が使われてきました。これに対して新しく液晶ディスプレイやLEDディスプレイが登場しましたが、これらを駆動する信号を表示装置の種類によって変えるわけにはいかないので、CRTで使われてきた規格をそのまま使わざるを得ません。ということは新しい液晶やLEDのディスプレイはCRT用の信号で動作するように合わせなければいけないことになります。

 図BのNTSCというのはNational Television System Committee(全米テレビジョン放送方式標準化委員会)という組織の名前ですが、ここが定めた規格の名前として一般に通用しています。そのカラーCRT用の規格ではCIE色度図の色度座標で三原色を規定しています。

 それを(x,y)座標で示すと
  R(0.67, 0,33)  G(0.21, 0.71) B(0.14, 0.08)
となります。これが図Bの三角形の頂点の座標に相当します。なお白色は(0.310, 0.316)となります。

 上記の4色のLEDを使えば、おおよそこの規格にマッチした発色のディスプレイが実現できます。各画素の色を指示する信号はTV放送の電波やPCの出力信号から与えられるので、これを4つのLEDの発光強度比に直すように変換して各LEDに流す電流を決めます。

 多数の画素に信号を与える方法は液晶ディスプレイなどと基本的に同じです。詳細は省略します。

 ところで複数のLEDにそれぞれ同じ電流を流しても普通は同じ明るさで光らず、色調も違っています。このような特性のばらつきは半導体素子の宿命のようなもので、どんなに注意して作っても避けることはほとんど不可能です。ディスプレイのような場合、多数の素子の色調や発光強度にばらつきがそのまま見えてしまっては致命的です。

 どういう手段でこれを回避するかというと、そのひとつの方法は素子の選別です。多数の素子の特性を計り、許せる範囲の特性の素子だけを選んで使うというものです。1つの範囲だけしか使わないと、これに外れたものは全部捨てることになってあまりに無駄が多くなります。そこでランク分けといって、何段階か特性の似た範囲「ランク」を決め、このどこに入るかを分類します。

 分類ができれば、各分類に適した電流を流すことにより、ランクが違っても眼に見える違いは目立たなくなります。電流の種類もランクの数だけ用意すればよいので、回路の調整は少なくて済みます。

 色調と輝度を調整する基本的な回路を紹介しておきます。図Cは特開2001-272938に載っているものです。LED1に直列につながっている可変抵抗2はLEDの点灯に通常使う電流制限抵抗です。電源電圧Vccが決まっていれば、可変抵抗2を変えるとLED1に流れる電流が変わります。電流が変わるとLEDの発光する光の色調が変わるので、調整ができます。
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 しかし電流が変わると発光の輝度も変わってしまいます。そこで可変抵抗は色調の調整だけに使うことにし、輝度は別の方法で調整します。トランジスタ3はベース信号によってオンオフするスイッチとしてはたらきます。そこでパルス幅変調器5によって入力信号のパルス幅を変え、LEDの点灯時間を調整します。

 ただしこのパルスの繰り返し周波数は十分高く、見る人の眼には光のオンオフは見えないようにします。すると点灯時間(オンの時間)が長いほど輝度は高く見えます。LEDに流れている電流は変わらないので、色調は一定に保たれ、パルス幅の調整によって輝度だけが見かけ上変わって見えることになります。

 もちろんパルスのオフ期間がない直流点灯が最大の輝度になり、輝度はそれより低い範囲でしか調整できないので、可変抵抗で調整する色調の範囲と輝度の可変範囲はうまく設計しておかなければなりません。

 以上、フルカラーLED表示を念頭に説明しましたが、液晶ディスプレイのバックライトなど白色光の照明でも同じことが言えます。この場合は全体が均一な色度の白色で均一な輝度になるように一旦調整すれば、あとは同じ条件で点灯すればよいことになります。もっとも最近はバックライトも画像に合わせてコントロールするようなことも考えられていて、その場合はディスプレイと同じような仕組みが必要になります。

 以上で発光色の話は終わりにします。次回からはLEDに求められる特性としての寿命あるいは長期信頼性などの話へ移りたいと思います。

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