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zoom RSS 発光ダイオードの故障

<<   作成日時 : 2013/07/21 16:14   >>

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 発光ダイオード(LED)はどんなときに故障するのでしょうか。まずはやってはいけない大電流を流してしまったとか、高電圧をかけてしまったとか、あるいは異常に高い温度にしてしまったとか、取り扱い上に問題が考えられます。やっていいか悪いかは各素子の規格で決められていますから、その範囲を越えてしまうのは使用者の誤りです。

 それでは取り扱いを間違えずに正しく使用していれば永久に故障は発生しないかと言えばそんなことはありません。どんな素子でも長時間使用するといずれは故障します。これは正常な使用でも素子の温度は上昇しており、それによって素子内で少しずつ変化が起こるためです。この変化の早さが寿命の長短に直接関係します。

 このため故障が起きたとき、素子のなかで何が変化したのかを解明することは、それができるだけ起きないようにして寿命をできるだけ延ばすために重要です。今回以降、このような問題を考えていこうと思います。

 そこでまずはLEDの故障にはどんなものがあるのかを整理しておきます。実際に使用されるLEDの故障のなかには半導体チップの実装に起因するものもあります。半導体チップを実装するパッケージについては後に取り上げる予定で、これに原因する故障についてもそのときに説明したいと思います。以下では図示するようなLEDの半導体チップそのものの故障に限定します。
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(1)接合の破壊
 まず代表的な破壊はこれです。LEDには発光層を含むpn接合がありここで発光が起こるわけですが、この接合が機能しなくなってしまうと、発光は起きなくなります。接合の破壊を引き起こすのは接合部分の温度上昇です。非常に温度が高くなると接合部分が融解してしまいます。LEDに順方向電流を流すと接合部分の温度(ジャンクション温度とも言います)が上昇しますが、電流が大き過ぎると接合が融解するほどに温度が上昇し破壊に至ります。

 また大きな逆バイアス電圧を接合にかけると、接合が降伏状態になり逆方向に大きな電流が流れ、これによって接合部分の温度が上昇し破壊に至ります。雷によるサージ電圧や静電気放電などが原因になります。

 このような急激な場合だけでなく、通常の使用でも接合部分の温度は高くなっていますから、p型、n型を作るために導入されている不純物が拡散によって移動しやすくなります。これは接合界面をすこしずつ崩すことになり、次第に発光が弱くなっていくという故障の要因となります。

(2)電極の破壊
 LEDに電流を流すために必ず半導体の外側に電極が付いています。電極は金属である場合がほとんどで、半導体とは異なる材料です。そのため半導体表面にしっかりと貼り付いていずに、剥がれることがあります。そうなれば電流が流れなくなり発光は止まってしまいます。電極剥がれの原因も温度です。温度の上がり下がりにより電極が伸びたり縮んだりすると剥がれの原因になります。

 さらに金属というのは酸化など化学反応を起こす場合があります。腐食と言われることもあります。これは化合物になるということですが、そうなってしまうと性質が変わり導電性がなくなったり半導体への付着力がなくなる場合もあります。

 また金属原子が半導体中へ拡散し、電極界面の性質を変えてしまう場合があります。この現象はマイグレーションと呼ばれています。

(3)半導体結晶の破壊
 LEDの主要部分を構成している半導体結晶は、技術の進歩によりその品質は向上していますが、それでもまったく欠陥がないわけではなく、また意図しない不純物がまったくないわけでもありません。

 これらが起点になって結晶中に欠陥が増殖する場合があります。欠陥が接合部に侵入すると発光が弱くなることがあります。また発光素子の場合は発光面に欠陥ができると光が遮られることになり、故障の原因となります。

 結晶の破壊には機械的な破壊もあります。これは実装時の問題が多いですが、結晶に大きな力が加わって基板ごと折れてしまう場合があります。結晶中の欠陥がその引き金になることもあります。

(4)絶縁膜、保護膜の破壊
 LED素子の表面には電極間の絶縁を確保するための絶縁膜や半導体表面が露出するのを防ぐ保護膜(パッシベーション膜ともいいます)などが設けられている場合があります。これらが剥がれたりすると素子の故障につながりやすくなります。

 剥がれの原因は電極金属の場合と似ていて、温度の上がり下がりが繰り返されると、半導体との熱膨張の違いによって絶縁膜が剥がれることがあります。金属のマイグレーションによって絶縁性能が低下する可能性もあります。

 今後、これらそれぞれの現象についてもう少し立ち入って考え、対策についても触れたいと思います。

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