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zoom RSS フリップチップボンド

<<   作成日時 : 2013/12/22 21:11   >>

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 フリップチップボンドは半導体チップへ電気接続をする方法の一つです。この方法は半導体チップを固定するダイボンドの役割も兼ねているところがワイヤボンドとは異なります。

 図A(特開2004-39983より)がそのイメージです。基板2上の配線パターン21、21'上にバンプと呼ばれる小さな金属の塊B、B’によって発光ダイオードチップ1の電極11、11'を接合します。基本的にはチップ上の電極はチップの片側にある必要があります。
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 フリップチップは英語の綴りではflip chipですが、どういう意味でしょうか。"flip"という単語を辞書で引いてみると、まず「はじく」とか「ポンと打つ」とかいった意味が出てきますが、そのつぎに「裏返す」とか「ひくりかえす」という意味があげられています。どうやらチップを裏返して接着するというのがフリップチップの意味のようです。

 これまでに取り上げてきたリードフレームとかワイヤボンドも同じですが、フリップチップボンドは初めはトランジスタや集積回路などの実装のために開発された技術です。しかし電極が片側にあって電気接続がその側だけで行えるので、発光ダイオードの場合は基板と反対側に発光を遮るものがなくなるという大きな利点が出てきます。

 図B(特開2000-164636より)を参考にして、もう少し詳しく手順をみてみます。最初の工程はワイヤボンドのボールボンドと同じです。(a)のようにトーチ23を使ってキャピラリ22先端の金線2の端にボール2aを作ります。
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 これを(b)のようにヒータ21のついたステージ20上で加熱した基板1の配線パターン1aに押しつけ超音波をかけて圧着します。この後、ワイヤボンドのように金線を引き延ばさずに切ってしまいます。これで基板上にバンプ3ができます。バンプ(bump)とは「こぶ」とか「出っ張り」といった意味です。

 ついで(c)のように発光ダイオードのチップ4をボンディングツール24という金具に取り付けて運びます。チップを傷つけずに運ぶ手段としてよく使われるのが真空吸着です。金具に孔24aを開けてそこから空気を抜いてチップを吸い付けます。

 もともとバンプの位置はチップ上の電極4c、4dの位置に合うようにしてあり、チップの位置を合わせてバンプに押しつけ、さらに超音波をかけて接合させます。これによってチップは基板上に固定され、併せて電気配線もできあがります。

 つぎにバンプを使わない例を紹介しておきます。これは異方導電性接着剤という接着剤を利用する方法です。この異方導電性接着剤とは、通常の導電性接着剤と同じように樹脂の接着剤に金属粉を混ぜたものですが、そのままでは絶縁性です。ところが圧力をかけると金属粉の間の距離が縮まって互いに接触するようになり、導電性となります。このような性質があるので、部分的に圧力をかければ、その部分だけを導電性にすることができます。
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 図C(a)(図Aと同じ文献より)のように配線パターン21、21'を設けた基板2のほぼ全面に異方導電性接着剤3を塗布します。異方導電性接着剤は樹脂31に導電性球状体32が所定の濃度で混ぜたものです。これに電極11、11'の側を下にして発光ダイオードチップ1を押し付けます。電極と配線パターンの間にもっとも強く圧力がかかるため、この部分のみ導電性となって電気接続ができますが、その他の部分は絶縁性のままです。

 細かく言うとチップ側の電極周囲には絶縁性の保護膜14が設けてあり、基板側の配線パターンはチップが接する部分に凹部22、22'が形成されています。このためこの部分の接着剤が横へ洩れてしまうのを防ぐことができます。

 上記のように電極直下の部分以外は絶縁性のままですが、接着剤の接着力はあるので、バンプではバンプ部分しかチップを固定する力がないのに対して、全面にわたって接着力がはたらき固定がより安定します。つまりほとんど接着剤によるダイボンドを同じような工程でフリップチップボンドができる優れた方法です。

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