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zoom RSS 静電気破壊対策(パッケージ)

<<   作成日時 : 2014/02/23 22:09   >>

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 発光ダイオードの故障原因の大きな割合を占めるのが、静電気放電であるとされています。以前に素子構造の工夫による静電気破壊対策に触れました。しかし素子構造に手を加えなければならないという難点があり、またその効果にも限界がありそうです。

 そこでより確実かつ簡単な方法として、発光ダイオードチップとは別に保護用の素子を付け加える手段が採られます。この保護素子とはどういうものか以下に紹介します。

 図A(特開2000-312033より)の破線は一般的な発光ダイオードの電流−電圧特性です。プラス電圧側が順方向特性を示しており、小さい電圧でも電流が流れ始めていて、この電流によって発光が起きます。一方マイナス電圧側をみると小さい電圧では電流はほとんど流れていません。これはpn接合ダイードの典型的な特性です。しかし逆方向電圧が大きくなると、急に電流が流れ始めます。これは以前にも説明したようにpn接合の降伏と呼ばれる現象です。ただしこの現象が起きても電圧を下げれば電流は元のように流れない状態に戻ります。pn接合が回復不能な状態に破壊されてしまうわけではありません。
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 図Aをみるとわかるように、この逆方向のダイオード両端にかかる電圧は降伏が起こるとほとんど一定値となります。この性質を発光ダイオードの保護に利用します。

 図Bに示すようにこの保護素子Dを発光ダイオードと並列に、極性が逆になるように接続します。すると万一発光ダイオードの順方向に大きな電圧がかかった場合、保護素子の逆方向に電圧がかかって降伏が起これば、両端の降伏電圧より高くならず一定に抑えられます。この電圧を発光ダイオードが壊れない電圧に設定しておけば、大きな電圧パルスがやってきても発光ダイオードは保護されることになります。
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 保護素子にはこのようにpn接合ダイオード(発光する必要はありません)を使えばよいのですが、一般のpn接合ダイオードは降伏電圧をできるだけ高くなるように設計されますから、保護素子用に適当な降伏電圧をもつものが選べるとは限りません。そこでよく使われるのは定電圧ダイオードと呼ばれるダイオードです。これは製品の仕様として降伏電圧が規定されていて、1V〜5Vといった低い降伏電圧をもつものも入手できます。

 ツェナーダイオードというものがその典型です。ツェナー効果というのは半導体の接合に逆方向電圧がかかると価電子帯から伝導帯に電子がトンネルする現象のことで、ツェナー(Zener)というのはこの現象の発見者の名前です。英語(米語?)読みでジーナーダイオードと発音されることもあります。

 このツェナーダイオードの電流−電圧特性は図Aの実線のようになっています。低いマイナス電圧V1で降伏が起きるように作られています。これを図Bのように接続すると、発光ダイオードにはそれが通常の発光動作をする順方向電圧より高い電圧がかからないようできるので、発光ダイオードを保護することができることになります。

 発光ダイオードのパッケージを取り付けた回路基板などにこの保護素子を併せて取り付ければよいのですが、パッケージの中に発光ダイオードと一緒に実装してしまえば、より便利です。図C(特開平11-54804より)はそのような表面実装型パッケージの例です。上が平面図、下が断面図です。
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 図Cのように発光ダイオード3の横に保護素子5を固定すると、そのためのスペースが必要となってパッケージが大きくなりがちです。これを避けるために図D(特開平11-214747より)のように保護素子6の上に発光ダイオード1を載せてしまうことも考えられています。ツェナーダイオードはシリコンで作られることが多いので、これをシリコンのサブマウントに組み込んだと考えれば、発光ダイオードにとっては放熱特性もよく好都合です。
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 以上でパッケージに関しては終わることにします。次回からは発光ダイオードの駆動回路についてみていきたいと思います。

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