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<<   作成日時 : 2014/05/05 13:13   >>

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 前回、発光ダイオードをパルス駆動する場合に使う基本回路を紹介しました。今回と次回はこのパルス駆動の応用例を紹介します。今回は発光ダイオードを用いたディスプレイです。

 一言でディスプレイといってもいろいろありますが、ここではテレビやPCの画面などのイメージ、つまり平面ディスプレイに注目します。平面ディスプレイといえば、現在のところ液晶ディスプレイが主流ですが、発光ダイオードでフルカラーを出せるようになったため、発光ダイオードを使った平面ディスプレイも実用的に使えるようになってきました。

 発光ダイオードを使った平面ディスプレイの構造と原理はつぎのようなものです。フルカラーの場合は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードの少なくとも3種類の発光ダイオードを近づけて配置し、これを画素にします。1つの画素の色はこれら3種類の発光色を混色して発生させます。単色の表示でよい場合は1画素に1個の発光ダイオードを配置すればよいことになります。

 この画素を2次元のマトリックス状に多数並べます。並べる個数は画面の大きさと必要とされる精細度によって決まります。画像の表示はその画像を表す画像信号によって各画素の発光ダイオードを点滅させることによって行います。具体的な回路を図Aに示します(特開平10-055155より)。
画像

 縦横に交差する導線が多数平行に設けられています。縦横の線の交差するところは絶縁され導通はありません。この横の線Y1、Y2、・・・Ynと縦の線X1、X2、・・・Xnの各交差位置に発光ダイオード28のアノードとカソードが接続されています。この図では発光ダイオードは2種類で1画素(楕円で囲んで示す)を構成していますが、フルカラーの場合はRGB3色とします。

 縦の線、横の線の端にはトランジスタ70、72と抵抗が接続されています。このトランジスタは前回のスイッチング用に用いるもので、ベースに駆動パルスを入力することにより、コレクタ電流が流れます。

 まず横の線Yにつながるトランジスタ70のベースに上から順に時間をずらして信号を加えます。普通のテレビ画面では1画面を1/30秒で構成しています。この間にY1からYnまで駆動パルスが入力される必要がありますから、1本あたり1/30n秒という時間になります。横の線Yは上から順に信号を入力して走査されることから走査線と呼ばれます。

例えば横の線Y2のトランジスタ70に信号が加わっているタイミングを考えます。このとき例えば縦の線X2のトランジスタ72のベースに信号を加えると、Y2とX2につながる発光ダイオードが発光します。他の縦の線Xにも同時に信号を加えることができますから、Y2上の何点かを画像情報にしたがって点灯させることができます。縦の線Xのことを信号線といいます。

 1/30秒という時間は人間の眼には残像が残る短い時間ですから、この時間内に順次走査線上の何点かを順次発光させると人間の眼には1枚の画像が表示されているようにみえます。

 図Aの回路にはつぎのような難点があります。1個のトランジスタで1本の走査線上の多数の発光ダイオードを受け持っています。このため、1本の走査線上の全画素が点灯するような場合、大きなコレクタ電流が流れます。大電流用トランジスタはスイッチング速度が遅く大型になります。スイッチング速度が遅いと走査速度に追いつけず画像のちらつきの原因になります。また素子が大きいとディスプレイ画面以外に大きなスペースをとられてしまい、装置が大型になってしまいます。

 このような難点を改善した回路を図B(出典は上記と同じ)に示します。ここでは楕円で囲まれた3個の発光ダイオードが1画素を構成しています。図Aと異なるのは各発光ダイオード28にそれぞれスイッチング用のトランジスタ18と抵抗が設けられている点です。ここでのトランジスタはMOSFETですが、はたらきはこれまで説明してきたバイポーラトランジスタと同じで、ベース電極の替わりにゲート電極に信号を入力することにより、コレクタ電流に替わってドレイン電流をオンオフできます。
画像

 走査線Yには各トランジスタ18のゲートが接続されています。ゲートには電流が流れません(バイポーラトランジスタのベースであっても流れる電流はわずかです)。このため左端に書かれているようにパルス信号32を時間をずらせて印加するのに大電流は必要ありません。

信号線Xにはトランジスタ18のソース電極が接続され、ここに信号が加わった画素にだけ電流を流し、発光ダイオード28を発光させます。1個のトランジスタは1個の発光ダイオードを駆動するだけですから、大きなドレイン電流を流す必要がありません。なお発光ダイオードのアノード側には電流を流すための線30(破線で示す)がさらに必要になります。

 もちろんトランジスタの素子数は増加しますが、トランジスタは集積化することができますからこの問題は解決できます。この回路は液晶ディスプレイのアクティブマトリックス方式と基本的に同じです。液晶ディスプレイでは駆動トランジスタで液晶シャッタの開閉を行いますが、これ自身は発光しないので、このほかにバックライト用光源(これにも発光ダイオードが使われています)とフルカラーの場合はカラーフィルタが必要になります。このため、消費電力が大きいとされる発光ダイオード方式と電力消費にそれほどの違いはないと言えます。

発光ダイオード方式の場合は駆動トランジスタのほかには発光ダイオードと抵抗しか必要でないので、集積化に向いているので、少ない部品で構成でき薄型化がしやすい利点があります。

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