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<<   作成日時 : 2014/08/04 20:53   >>

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 電界発光素子の発光色についてはこれまで触れませんでしたが、今回これを取り上げます。もちろんRGBの三原色が得られれば、フルカラーディスプレイが実現できることになるので、大変重要な課題です。

 発光ダイオードでは青色発光の実現が最後に残ったわけですが、電界発光素子ではむしろ青色発光が得意で、長波長の赤色等が後に残ったとも言えます。

 電界発光素子の発光色はベース材料と添加される賦活元素の組み合わせで決まります。ベースとなる材料は通常大きなバンドギャップエネルギーをもっていて可視光に対して透明なもので、薄膜型のためには薄膜が作りやすい材料が選ばれます。

 発光はこのなかに添加する元素によって起こります。発光ダイオードのようにバンド間遷移による発光ではなく、添加されている希土類などの原子の内殻遷移によって起こります。以前に蛍光体の発光原理lを説明したことがありますが、基本的にはそれと同じです。ただし蛍光は光励起による発光ですが、電界発光は電界の印加によって電子、正孔が供給される点が異なります。

 具体的な例を挙げます。図Aは三原色発光をさせるための薄膜型電界発光素子の断面構造を示しています(特開平3−187191より)。ハッチングを施した3層4、5,6がそれぞれ異なる発光スペクトルをもつ発光層で、積層されています。基板1は透明なガラスで、その上に透明電極2が形成されています。層3と7は絶縁層です。この上に電極8が形成されています。
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 発光層4はZnS:Mn、発光層5はSrS:Tb(Tbはテルビウム)またはZnS:Tb、発光層6はSrS:Ce(Ceはセリウム)とされています。この3層を積層した発光層の発光スペクトルを図Bに示します。
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 発光スペクトルの主要部分を担っているのは発光層4と6です。この2層による発光スペクトルが一番下に比較例として示されています。発光層4のZnS:Mnは長波長側の波長550〜640nmの発光が起きます。また発光層6のSrS:Ceは短波長側の波長450〜550nmの発光が生じます。この2つでほぼ可視光の範囲の発光がカバーされます。

 発光層5は上記2層では弱いスペクトル範囲を補うために設けられるもので、一番上の実施例1はSrS:Tb層、2番目の実施例2はZnS:Tb層を加えた場合の発光で、543nmばどに鋭い発光スペプトルが加わっているのがわかります。

 ただこの層構造だけでは色を変更することができません。そこでこの発光素子にRGB3色のフィルタをそれぞれ設け、それによって三原色を出すことが行われます。画素による発光のオンオフは図Cに示すように縦横に交差するような上下の電極2と4の間に発光層3を挟むことで行うことができます。さらに薄膜トランジスタをスイッチング素子として加えたアクティブマトリックス方式とすることも可能です。
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 この無機材料の薄膜を使った電界発光素子のディスプレイは実用の域に達し、少なくとも単色のディスプレイを搭載した製品は世に出ましたが、1990年代になって有機ELの開発が活発になり、次第に勢いを失ってしまいました。次回からは有機ELに話を移します。

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