石くれと砂粒の世界

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<<   作成日時 : 2014/10/19 19:49   >>

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 いかなる原子も原子核の陽子の数と同じ数の電子をもっています。この電子は前回説明した軌道のどれかに入っています。どの軌道に入るかには規則があり、各原子の基底状態で電子がどの軌道に入っているかは決まっています。これを電子配置といいます。

 まず第1の規則はパウリの排他原理と呼ばれるものです。この規則は
「電子はエネルギーの低い軌道から順に入る」
というものです。

 第2の規則はフントの規則と呼ばれます。この規則は
「1つの軌道には最大2個の電子までしか入れない」
「1つの軌道に2個の電子が入るときはスピンの向きが互いに逆になる」
「エネルギーの等しい軌道に1つずつ電子が入るときはスピンの方向が同じの場合の方が安定である」
という3項目からなっています。

 具体例でみてみましょう。まず原子に属する電子を図Aのような表し方で表示することを考えてみました。この表示法はここだけの簡易的なもので、一般的に使われているものではありません。
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四角い箱1つが1個の電子を表しています。下から順に1s、2s、2p、3s、3p、3dの各軌道を表します。もちろん主量子数n=4、5に対応してもっと上にエネルギーの高い軌道がありますが、ここでは省略しています。

箱の数が各軌道に入りうる電子数を表し、フントの規則の1番目の項目にしたがって各軌道に2個まで電子が入れるように一対の箱で各軌道を示しています。方位量子数l=0のs軌道には2個の電子が入れます。方位量子数l=1のp軌道は3つの磁気量子数m=−1、0、+1に対応して3つあり、入れる電子数は2×3の計6個です。方位量子数l=2のd軌道は5つの磁気量子数に対応して5つあり、計10個の電子が入れます。

一対の箱にはフントの規則の2番目の項目にしたがって2通りのスピン量子数の違う電子が入ります。これを表すために、ここでは色分けで赤がs=+1/2、青がs=−1/2を表すとします。無色の箱は電子の入っていない空いた軌道を示します。フントの規則によれば、赤・赤や青・青の組み合わせはあり得ないということになります。

 図Bは周期律表の順番で各原子の電子配置を上から3列目まで示したものです。パウリの排他原理によれば、電子が1個の水素(H)原子、2個のヘリウム(He)原子までで1s軌道が埋まります。電子が3個のリチウム(Li)原子になると次の2s軌道に電子が1個入り、電子が4個のベリリウム(Be)原子で2s軌道も埋まります。
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電子が5個のホウ素(B)原子で電子が初めて2p軌道に1個入ります。つぎの電子が6個の炭素(C)原子では2p軌道の2番目に1番目と同じスピン量子数の電子が入っています。電子が7個の窒素(N)原子ではさらに3番目の2p軌道に1番目、2番目と同じスピン量子数の電子が入っています。これがフントの規則の3番目に従った結果です。

 炭素原子に戻って少し疑問になるのは、図Cのように2p軌道の1番目がスピン量子数の互いに違う電子で埋まる(C2)ことや、2p軌道の2番目に1番目と違うスピン量子数の電子が入る(C1)ことがなぜないのかといことです。これはこれらの配置はいずれも炭素原子の電子配置の場合よりエネルギーが高く不安定になるということで説明がされています。電子配置の規則はあくまで最低のエネルギー(基底状態)のもっとも安定な状態で成り立つものです。
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 これから考える有機分子は基本的には炭素(C)と水素(H)を含む分子です。これに窒素(N)や酸素(O)が加わることもよくあり、さらには周期律表3列目のケイ素(シリコン、Si)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)などもよく登場します。これらの原子の電子配置をよく理解しておくことが重要です。

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