石くれと砂粒の世界

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<<   作成日時 : 2014/10/26 16:44   >>

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 分子の話に入ります。分子とは複数の原子が結合したものですが、この結合の仕方には複数あります。

 例えば、正イオンになりやすいNaと負イオンになりやすいClとは電気的引力(クーロン力)によって結合しNaCl分子を作りますが、これはイオン結合と呼ばれます。しかし水素分子H2とか酸素分子O2などは同じ原子が結合しているので、これは電気的引力では説明ができません。

 このような分子は電子を共有することによって結び付きます。これを共有結合と言います。共有結合が起こるためには原子が不対電子をもっていることが必要です。もっともエネルギーの高い原子軌道の一つに入りうる電子は2個ですが、この対になる電子が片方しかいない場合、これを不対電子と言います。この不対電子を共有することによって2つの原子が結合します。

 前回の電子配置を思い出していただくと、水素(H)は1個、炭素(C)は2個、窒素(N)は3個、酸素(O)は2個の不対電子を持っていることがわかります。ここで窒素は例えばアンモニア(NH3)などのように、3つの不対電子が結合に関わることがわかります、酸素はH2Oのように2つの不対電子が結合に関わっています。

 ところが炭素も不対電子数は2のはずなのに、メタン(CH4)のように4本の結合手をもっていて話が合いません。これは混成軌道という考え方で説明がされています。炭素には対が完成している2s軌道と不対になっている2pの2軌道があるわけですが、この2s、2pの軌道が混じり合って4つの不対電子になっていると考えます。これをsp3混成軌道と呼んでいます。窒素と酸素は同じように混成軌道になるとしても不対電子数は3個と2個で変わりがありません。前回と同じ表示で示すと図Aのようになります。
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 さてそれでは分子における電子の状態はどうなるのかを考えます。水素分子を考えると図Bのように1個の不対電子をもつ水素原子2つが接近すると、2つの原子核が2個の電子を共有して分子を形成します。これを分子軌道といいます。
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 この分子軌道にある電子の状態、エネルギーはやはり量子力学によって計算されます。図Bのような陽子2個と電子2個の系、つまり水素分子に対するシュレディンガー方程式は前に示した1個の原子に対するものと形は変わりません。
  

 ただしポテンシャルエネルギーVは形を変えます。系のモデルを図Cに示します。2個の陽子Pa、Pbは距離Rをおいてあり、その周りに2個の電子r1、e2があります。この間に矢印のついた線で示すように6通りのクーロン力がはたらきます。陽子間と電子間は斥力(反発力)がはたらきます(赤線)。陽子と電子の間には引力がはたらきます(緑色の線)。電子間、陽子と電子の間の距離を図のようにrに添え字をつけて示します。
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 系全体のポテンシャルエネルギーVはこれらの引力、斥力の重ね合わせで示されます。
  

 この水素分子に対するシュレディンガー方程式は解析的に解くことはできません。もっとも単純な分子の水素分子についてすら解が得られないので、より複雑な分子についても解を得ることは困難です。しかしそれでは分子における電子の状態を知ることができませんので、何らかの近似をして近似的な解を得ることが必要になります。次回はその近似解法を調べます。

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